とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


下間花梨さんを見て

前回の記事から気づいたら1ヶ月半ほどたってしまっていた。

 

あいも変わらずベンチャーで働くエンジニアというのは毎日が崖っぷちである。

 

さて、この話を書こうか書かまいか迷っていたのだがやはり書きたい。

 

以前の記事でも言及したのだが、私が定期視聴している番組の一つにテレビ朝日系列で土曜日24:10から放送しているラストアイドルという番組がある。

 

この番組は、アイドルグループ、「ラストアイドル」としてデビューできるメンバーを決める、言わばオーディション番組である。

毎週挑戦者が暫定メンバーの1人を指名して歌やダンスのパフォーマンスで勝負をする。審査員1人が独断で勝敗を決める。

 

さて、今回紹介したいのは5月20日の放送回である。

 

挑戦者は下間花梨さん(17歳)である。

放送当時私は大学時代の友人と箱根に来ており、飲み会を早めに抜け出して2時間ほど作業をしていた。番組開始当初もテレビをつけてはいたものの、目線はパソコンに残したままであった。

愛知出身ということが紹介され、私の地元でもあるので、ちょっと見てみようかなと思い、作業を中断した。小学生の頃からのアイドルオタクだという紹介。自宅には同じCDが複数枚あり、欅坂46乃木坂46の握手会にも出かけるほどの熱の入れようだった。

そんなアイドルを雲の上の存在として、ある意味一人の消費者だった下間さんであったが、ラストアイドルのデビュー曲である「バンドワゴン」の二番の歌詞

今 鏡に写ったその姿は
本当になりたい自分だったか?

に心動かされたという。当時高校2年生だった彼女は、高校3年生になり、何もなければ大学に進学するための受験勉強を行うことになるが、「本当にそれがなりたい自分だったか」と自問自答したわけである。

そしてラストアイドル2期生の募集を機に、勇気を出して今まで一線を引いていたアイドルの道へと進むことを決意する。

 

そして本番。対戦相手は立ち位置11番の小田中穂さんを指名した。歌の経験もダンスの経験もある暫定メンバーである。

「歌もダンスも経験のある人に勝って自信をつけたい」

ラストアイドルはセンターだけが輝くグループではない」

と行った理由で指名したという。

 

まずはパフォーマンスの前に恒例のマイクパフォーマンス。

下間さんはだいぶ緊張しているようであった。言葉を3、4度言い直した。スタジオは一気に大丈夫かという不安に包まれる。

曲は欅坂46の「制服と太陽」。「二人セゾン」のカップリング曲である。

しかし、曲がかかり、歌の第1声を発した瞬間、雰囲気は一変する。まず、未経験と思えないほど歌が上手い。本家に似せようとしているのではなく、自分の声で、思いで歌っているのが伝わってくる。本家より少し太めの声。そこから彼女の意志、決意が感じ取れた。

 

制服と太陽。

この曲は高校3年生の彼女にとって一番響いた曲だったのではないだろうか。

1番のメロの部分、

大学へ行くか?やりたいことはあるか? 

大学受験というのは、人生の岐路の一つである。私のように能天気に周りに合わせて大学を受験する人もいれば下間さんのように、さまざま思い巡らせる高校三年生も多いであろう。

 

そしてもっと圧巻だったのはそのパフォーマンスである。

サビに入る手前。ここまででも十分観客を惹きつけているのだが、「迷うことなくどこを目指してるんだろう 希望」でカメラがアップになり、サビに入った瞬間、まっすぐ立てた人差し指を突き出し、カメラもそこだけを映し出す。

(写真は、録画したものをスマホのカメラでとっているので画質が粗いです)

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その後もステージを左へ右へ幅広く使いながら、それでも息を切らすことなく音も大きく外さずに、歌い続けて行く。

そして1回目の「Let's get started!」で上手のカメラにカメラ目線で指差し。

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2回目の「Let's get started!」で下手のカメラに指差し。

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そしてFinish.

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圧巻だった。涙が溢れてきた。

 

下間さんは歌もダンスも未経験だというが、素人がここまでのカメラワークを意識してパフォーマンスができるであろうか。

リハーサルの段階でどこまで打ち合わせしたのだろうか。もししたとすればかなりプロ意識が高いし、してなかったとすれば、カメラマンがリハーサルでのパフォーマンスをみてカメラワークを考えたということだ。それだけスタッフにも引き寄せられるものがあると感じたということである。いずれにせよ並大抵のことではない。

 

始まる前あんなに緊張していたとは思えないほどのパフォーマンス。

「この曲はくよくよしながら歌ってはいけない」

曲に込められた思いを汲み取っているからこそ中途半端なことはできない。アイドルオタクだからこそ手を抜いてはいけないという思いがひしひしと伝わってきた。

 

私はこのとき、元ももいろクローバーZ有安杏果のことを思い出した。

ある番組で和田アキ子と共演した時に、本番直前まで半べそで緊張していたというが、本番スタートしたらノリノリで歌っていだしたそうだ。和田アキ子はその度胸に驚いたという。

www.daily.co.jp

 

下間さんもその片鱗をうかがえたのである。

未経験だからこそ磨けばもっともっと光るであろうし、アイドルオタクとして妥協することなく活動をしてくれそうである。

今後、下間さんがどのように活躍の場を広げて行くかは現時点では未知数だが、「本当になりたい自分」になって世界に羽ばたいて行くのが楽しみである。

技術の流行り廃り

昨日の記事の続きになります。

smartenergy.hateblo.jp

 


技術の流行り廃りについてですが、私もこれには頭を悩ませている反面、自分の場合ずっと同じことをやっていると飽きる性格なので、変化がないとつまらないと思う一面もあります。
頭を悩ませている面に関して、自分なりに解決している方法とは、一つは、技術の流行り廃りの少ない分野で地盤を作るという点です。例えば、リレーショナルデータベースにかんしては、ここ数十年、基本的な要素は変わっていません。正規化なんて何十年前からもあり、今でも十分に使える知識です。ただ、最近Railsやってますという人の中にはデータベース設計ができない人も多い。リレーショナルデータベースはどんなシステムでも大抵使われるのできちんと基本を押さえておけば、かなり長い間つかえるスキルとなると思います。
もう一つは、技術に関係のないところで強みを作るという点です。その最たるものが業務知識。あるいはビジネス理解です。エンジニアはビジネスをシステムに落とす仕事ですから、ビジネス理解を避けて通れません。いかに素早くビジネスを理解するかが大切で、それはエンジニアに要件が降りてくる前からの情報収拾が必要です。営業の人の会話やチャットを見てどういう動きをしているのかを把握しておく必要があります。そうすれば、事前にシステム側で対応に時間がかかることであれば問題を早期に摘み取ることができますし、考慮不足である点を指摘できればビジネススキームが洗練されていきます。そのフェーズから携わっていくことで実装速度も上がります。実装とはビジネスを写すものですから、モデル一つをとってしてもビジネスが反映されているわけです。
同様に、対応速度というのも気をつけています。サービスをやっていると不具合はつきもの。それに対して、カスタマーサポートやクライアントから上がってきた報告に対して速やかに対応するように気をつけています。作業中イアホンをする人もいますが、私は周囲の状況を聞くために、よほど集中する作業でない限り、イアホンをせず自席で作業をすることが多いです。逆に言えば、大抵の作業は周りの状況を把握しながらでもやれるように、その技術や実装に対して慣れておく必要があります。

もちろん、新しい技術に関しては、キャッチアップしておく必要があります。
私がSIerからWeb系の会社に転職したとき、Railsのキャッチアップすら大変だった中、同僚はReact.jsがどうだの、webpackがどうだの、そういう会話をしていました。同じタイミングで入社した人は、プログラミング経験がある人だったのですが、私はほぼ未経験だったので、しばらくはずっとinputすることが多すぎて頭が痛かったのを覚えています。
ただ、自分が一度に吸収できる能力にも限界があるので、React.jsとかがあるのだなという知識入れつつも、一旦はそこは今はキャッチアップしないという決意をしていました。step by stepで行かないと自分の能力ではダメだと。

その技術をキャッチアップするメンタリティが揃っていないと学習しても身につきません。

ちなみにReact.jsに実際にふれることにしたのはその1年後ぐらいでした。(厳密にいうと、その年のお正月に触ってみたのですが、全くよくわかず挫折した。)昨年にReact.jsで簡単なゲームを作って見たのです。ある程度Railsができるようになったなという確信がもてたタイミングでした。

そして、大事なのは、自分はできるよアピールです。例えば、そのゲームを作って社内で発表したり、wantedlyポートフォリオに貼り付けたりしているのですが、そうしてアピールすることで、この人はReact.jsができると認識されますし、次の案件があったときに声をかけてもらいやすくなりますし、転職時にも一つ見せるものがあれば大きなアピールになると思います。
このブログではできる限りプライベートにしたいと思っているので、React.jsで作ったゲームのURLを貼ることはしませんので、知りたい方は個別に連絡いただければと思います。(とはいえ頑張ればわかる。。)

ちなみに、開発期間としては、React.jsのチュートリアルなどをやったということも含めて1ヶ月ぐらいです(土日や平日夜の稼働)。学習からアウトプットまで1ヶ月ぐらいでそれなりに人に見せれるものができると思うので、学習に関してはその程度で良いと思います。

ちなみに、僕の場合は独身で子供がいないので、休日にそこまでの時間をさけるのですが、家族がある場合はやはり厳しいのではないかと思ってしまいます。逆に言えば、家族ができるまでにできる限り自分のスキルを向上させていくという必要がありそうです。


最後に、私はプログラミングが好きかと言われると、向いているとは思うが好きとは言えないと答えると思います。プログラミングをしていて良いのは、ダメなら割と早い段階で気づくことができることです。また、基本的な知識を入れておけば、あとは応用なので、新しい技術も取り入れやすくなります。例えば、Railsを一通りできればDjangoの習得も早いでしょう。React.jsができれば、Vue.jsの習得も比較的スムーズにできると思います。あと個別のフレームワークが必要な時は、そのときになってリファレンスを読むしかありませんし、それはみんな同じことです。

次々にでてくる概念はありますが、それをすぐに仕事で使うことはほとんどないですし、とりあえずは概念だけ理解しておくというのが良いと思います。「この技術を使うことがこういうことができる」というのを自分の引き出しの中に入れておくだけで、あとは必要に迫られてから学べば良いかと思います。

いずれにせよ、今の世の中を生きて行くためには一度身につけたスキルだけで年金がもらえる年まで働けるということはないですから、定期的に技術のアップデートはしていかなければならないと思います。

とはいえ、自分のスピードで無理をしないことが大切だと思います。この変化の早い世の中で、自分だけ置いてけぼりにされるのではないかと不安になることも多いですが、よくよく周りをみたら、そこまで頑張ってキャッチアップしていなくても生きている人がほとんどです。上を見るとキリがないですし、憂鬱な気分になることもありますが、そういう時はちょっと周りをみて深呼吸するようにしています。

 

文章が長くなってしまいましたが、書いていて、SIerへの転職に関して、十分に考えれていない気がしました。確かに僕もいまだにSIerへ戻ることは選択肢として消去していませんし、また機会があったら書ければと思います。

エンジニアの給与に関して思っていること

またこんな月に一度も更新がないブログにコメントをいただきました。
ありがとうございます。

smartenergy.hateblo.jp

返信したいなと思いつつ、番組の終わるタイミングだったので、アイドル論を語る記事を先に公開してしまいました。鉄は熱いうちに打てと言われるので、自分の中で盛り上がっているときに書かせていただきました。

 

さて、本題に入ります。

 

SIerからWeb系をみると、裁量労働制も含め、自由な働き方やおしゃれなオフィス、最新の技術を扱っているという輝かしい面を強く感じるかと思います。

その反面、闇というのもあり、その一つが給料、もっと広く言うとキャリアパスというところだと思います。


Web系をはじめ、できて数年の会社はみなし労働制をとっているところが多いでしょう。2社目も3社目もつき45時間のみなし残業時間がついて固定給でした。これに関しては、私はどうしても仕方がないと思っています。
私は新卒で入社した会社の頃から残業代に対しては疑問に思っていました。なぜなら、ゆっくり仕事して残業をして、残業代を稼ぐ社員が多くいたからです。生活残業とも言われていました。

また、配属される部署によって忙しさは異なり、忙しさによって給与が変わるというのも不思議でした。私が配属されて半年ぐらいはそれほど忙しくなく、定時に帰っていましたから、同期で遅くまで働いて残業代で自分より稼ぎがいい人の話を聞くと、本当に忙しいのか、それとも仕事が遅いだけなのか疑問に思っていましたし、本当に仕事量が多いのであれば、当時の私のように余裕のある部署はありますから、緊急的にも配置換えをするなどという対応をすればいいと考えていました。
もちろん大企業で部署の異動ですら容易なものではないこともわかっています。しかし、今の変化の早い時代、それでは追いついていけないのでないか、という思いも同時にありました。
炎上している案件に要員を追加しても教育コスト等で逆に遅くなるということもあるので一概には言えませんが、システム屋なのだから、会社全体の発注状況、アサインされているメンバー、進捗度合い等から、事前に人員が不足しないかをある程度予測できるのではないか、と考えたりもしていました。

なので、裁量労働制で残業代がつかないということに不満があるのではなく、その人の能力に対して賃金が支払われていないということに不満があるのだと思います。

賃金の算定根拠となる指標はいくつかあります。職能給(能力に対する給与)、職務給(仕事の内容に対する給与)、役割等級(役職や職務に求められる役割に対する給与)などです。

職能給といえば、従来の日本企業では、年功序列賃金として考えられていました。長く働いているほど職務を遂行する能力が高いだろうということです。しかし私は、年功序列だけが職能給であるとは思いません。むしろ、在籍年数などは考慮せず、個々人の能力だけを見て定めるべきなのが職能給だと思います。これはエンジニアの世界だと割と明確で、例えば、Railsができる、React.jsができる、などがそれに当たります。もちろん、Railsができるといっても、どこまでできるのかというのがあるので、単純ではないのですが、会社としてそこをきちんと評価できているかというのが大きなポイントになってくると思います。

私の2社目のとき、その会社は東洋経済でも賃金が低い会社としてランクインされる会社で働いていました。みなし労働時間いっぱいまで働いていた時期があり、それでも年収が300万円台前半で、とてもストレスを感じていました。

その人の能力というのはしばらく働いてみないとわからない部分があるので、最初は安いのは仕方がありません。会社としても本当にきちんと働いてくれるかわからない人に最初から高い給与を支払うことはできませんし、雇われる側としてもいきなり高い給与を提示されたらプレッシャーに感じるでしょう。

こうした事情を鑑み、私がここで会社に対して提案したいのは、入社後3ヶ月〜半年程度で通常の給与改定とは異なるタイミングで新入社員の給与を見直すことです。想定より働いてくれるのであれば給与を上げたり、過去に払った賃金が少ないなと思えば、賞与という形で支払うというのが良いと思います。

ところが、多くの会社は最初入社したタイミングで賃金が安ければそんなにドラスティックに昇級しないことがほとんどだと思います。2社目でも3000円しか上がらなくて退職を決意したという話をつい最近も聞きました。

残業代というのは言ってみれば職務給に当たると思います。残業して仕事量を増やすわけですから、能力とは別な軸なわけです。仕事量ではなくて、能力も十分に加味して給与を支払ってもらえる、そんな会社に勤めることが大事なのだと思います。

そういう会社を探すのは大変ですし、自分から会社に対して発信するのも多大なエネルギーが必要です。労働組合があればそこに相談すればいいかもしれませんが、労働組合は一律賃上げなどは頑張るものの、個別の事象に対してどのくらいまで対応してくれるかはわかりません。やはり自分で頑張るしかないということだと思います。

その方法の一つがやはり転職だと思います。昨今、アベノミクスで求人は大幅に改善されてきています。私がかねてから主張してきたリフレ政策が効いてきている結果だと思います。(まだまだ不十分ですが)

私が最初に転職した時とは大幅に状況が変わり、エンジニアはどこも引く手数多です。年収500万以上の給与水準の求人はたくさんあります。私の2社目でも最近大量に人が辞めていっていますが、昨今の状況を考えると当然と言えるでしょう。

会社を見るときに、経営者が従業員の給与に対してどういうスタンスでいるのかというのは大事なポイントになってきますが、経営者がどういう経歴なのかというのは大事な要素です。

例えば、経営者が外資系出身であれば、会社員時代の給与が高いので社員の給与も全体的に高くなる傾向がある気がします。あるいは、昔から能力に対してお金を支払われるべきだという意見の人であれば、能力に見合った給与を提示してくれるでしょう。傾向として高学歴な経営者に多い気がします。なぜなら、そういう人たちは昔から、自分は他の人よりもできるのになぜ報酬の差が少ないんだと思う機会が多いからです。

もちろんむやみやたらに高給を提示してくるのは危ないので、もし自分が想定しているよりも高い給与を提示されたら、下げてもらうよう断る勇気も必要です。あるいは働いてから査定してほしいという交渉をしても良いでしょう。

転職で多くの会社を見るのは大変かもしれませんが、昨今の状況を見るとちゃんとしたエンジニアであれば大抵は入社できるものと思って活動すれば良いかと思います。

私が就職活動をしていたときは、不景気だったので、どうせ採用してくれないんでしょと思ってなかなか企業研究に力が入らなかったのですが、今はエンジニアが会社を選ぶ時代ですので、「求人を出している=人手不足=自己研鑽をしっかりしていれば入社できる」という図式が当てはまることが多いかと思います。

 

次に、Web系の買い叩き問題ですが、コメントくれた方がどういった業態なのかわからず、私が自社サービスおよびOEM提供(受託に近い)の経験しかないので、的外れになってしまうかもしれませんが、自社サービスに関しては、基本儲かっていないケースが多いです。あるいは、まだまだ投資の段階で黒字化できていないケース。よっぽどビジネスモデルが秀逸でないかぎり、自社サービスですぐに黒字化するのは難しいことが多いように、周りをみていて感じます。

もし仮に儲かっていたとしても、ストック型のサービスの場合は、サービスを運営していれば自動的に収益がついてくる構成となっているので、最低限運用してくれるエンジニアがいればよく、そうしたコアメンバーにはそれなりの報酬を払うものの、細かな改善施策などをするエンジニアには給与を高くしないという会社はあると思います。まさしく2社目がそうでした。現に最近退職するメンバーのほとんどは平社員でした。
ですので、自社サービス系は給与が頭打ちになりやすい気がします。

そして、自社サービスにいて割と問題になるのはエンジニアのスキルの問題です。ずっと同じ会社にいると見慣れたコードしか見ないですし、見慣れた技術しか使わなくなってしまいます。私はRailsはじめて4ヶ月目で副業をして他のプロダクションのコードも見たのですが、当時自社サービスで使っていなかったテンプレートエンジンであるslimを知ることができましたし、wordpressとの連携なども学びました。違う環境に行くと違う技術や設計と触れ合うことができるので知見が増えます。

ずっと同じ組織にいるとそれができにくくなるのが難点であると思います。

もう一つは、クライアント対応です。自社サービスでクライアント対応が少ないサービスであれば、必然とこもって内輪で作業することが多くなってしまいます。しかし、今後のキャリアを考えたときにクライアント対応ができないエンジニアというのは、市場価値が下がってしまいます。自社サービス系の給与が頭打ちになるというのもここが一つ大きな要素ではないかと思います。ただ自分で開発しているだけではスケールしないのです。

 

別の観点で、受託型だとやはり労働集約的になってしまう点が問題です。コメントをくれた方が、「何千万かけて開発して保守費15万/月」というところからそんな感じがしています。ここも会社を選ぶときに、どこがその会社の強みかを見極める必要があると思います。

たとえば単純なWeb制作会社だとなかなか他社のWeb制作会社との差をつけにくいです。ところが、もう少し業務の一部まで効率化できるようなサービスで、SIerなどが競合になる分野であれば、SIerの価格に比べて優位に立てます。普段SIerとつきあっている人たちから見れば安く感じるわけです。それでいて開発側からして見れば、それなりに利益が出せる価格。SIerは従来型の開発をしていますから、結構ムダが多い。要件定義をする人と開発者が別になっていて、業務要件を知らない人が開発したりするわけです。昨今のクラウドサービス(AWSなど)やRailsなどの開発効率性の高いフレームワークを用いれば、そこをワントップでできる。現に私もクライアントと仕様を調整しつつ、自分でコードも書いています。

そういった他社と比べた強みがある会社というのが生き残って行く、すなわち収益性の高いビジネスをしている会社と言えるのだと思います。

 

ちょっと長くなってしまったので、明日続きを書きたいと思います。