先ほど、都知事選の期日前投票に行ってきた。
そこで生まれて初めて出口調査を受けた。
出口調査は、投票を終えた有権者に対し、メディアが独自に投票先を調査しどの候補者が当選するかを占うのに使用する。選挙区によっては開票速報で8時になると同時に当選確実が出るのはこうした出口調査の結果によるところが大きい。
さて、私が受けたのは調査員の腕章によると朝日新聞だったと思う。
調査内容は、性別、年齢、支持政党、投票先、投票した理由(政策を重視するとか実績を重視するとか)である。
そこで私を悩ませたのは支持政党の質問項目だ。
支持政党の質問項目には、自民党、民進党といった大政党も含め、日本を元気にする会など政党要件を失った政党もあった。日本における政党の定義は曖昧だから少し前まで政党だった元気会も候補に含めたのだろう。
私は、今は特定の政党を支持していないので、「支持する政党がない」旨を示す回答をしようとした。そこで、「支持政党なし」というのを選ぼうとした。しかし、「支持政党なし」は政治団体として存在するし、「元気」の選択肢があるなら、「支持政党なし」の選択肢があってもおかしくない。なにしろ、直近の国政選挙では既成政党である新党改革を上回る1.16%の得票率を誇るのだ。私は「支持政党なし」は支持していないので、「支持政党なし」の選択はできない。
特に日本において政党の定義は曖昧だから国会議員が1人もいない「支持政党なし」を選択肢としてないとは言い切れないからだ。
困った私は調査員に質問しようとしたが、わざわざこんなことで時間を取られるのも嫌なので、なくなく「元気」を支持政党とした。
そこで、である。おそらくこの項目はメディアの人によって作られたと思うが、私が上司なら、こんな詰めの甘い仕事をするのならば、即刻減給なり降格なりをしたくなる大きなミスであると思う。
なぜこのような良い加減な仕事が許されるのであろうか。
ここで文系と一括りにするのは良くないかもしれないが、あえて文系と一括りにさせていただく。おそらくメディアの政治系の部署にいるのは文系出身者が多いからだ。彼らがあの詰めの甘いアンケート項目を作ったわけである。
文系の仕事は詰めが甘いことが多い。
今、私の会社でも人事部がつくったとある制度の改正が行われようとしている。詳細は述べれないが、とにかくその制度の詰めが甘々なのだ。制度設計をする段階でもっと考慮に入れなければならないことがあったにもかかわらず、考慮しなかったのが問題であった。もう三ヶ月以上前に作られた制度なのに、今になってようやく変えようという始末。
そのぐらいの想定は制度を作る前にしておくべきだと思う。言ってみれば見切り発車。考慮すべき事項が少なすぎた。
人事部は文系の部長と文系の社員がいる。また文系か・・・と思った。
いや、作ったばっかりだから瑕疵があるのはある程度仕方がない。そこはやむをえない部分もあるだろう。
しかし問題はそこじゃない。制度は作っておしまいではない。作ってそれを運用していくことが大切なのだ。そして瑕疵がある部分は速やかに変更していく。いわゆるPDCAサイクルを回すということである。それはもう圧倒的速さでやらなければいけない。問題が起きてからでは遅い。
私はエンジニアとして日々プログラミングを書いてこれを生業としているが、我々の世界ではちょっとした瑕疵が命取りになる。平気でサイトにアクセスできなくなる。十分に考慮したつもりでも、想定できなかったことはたくさんあるからバグはできてしまう。我々にとってリリース日からが本番だ。リリースして終わりではない。
そして、バグがあれば、それはリリース当日に修正することもあるし、場合によっては翌日かもしれないが、それはとにかく最優先で取り掛かる。そうしなければ、売り上げが立たなくなってしまうからである。
それだけソフトウェアエンジニアというのはミスが許されない世界にいる。そしてミスしてしまっても可及的速やかに修正しなければいけない立場にある。
それに比べて先ほどの出口調査や人事部が作った制度はどうか。
その調査や制度に瑕疵があったところで、会社の売り上げが立たなくなるということはない。せいぜい正確な調査や制度の瑕疵による被害者が1人、2人出る程度であろう。会社にとってはクリティカルな問題ではない。
それだけ彼らの仕事は詰めが甘くてもなんとかなる仕事だということだ。
にもかかわらず、文系出身の彼らはIT土方とも呼ばれる我々よりも多くの給与をもらっている。人事部長は私の倍以上はもらっているのではないか。あんなに詰めの甘々な仕事をしているにも関わらず、だ。
文系諸君にはとにかくきちんと仕事をしてもらいたい限りである。
ミスは仕方がない。PDCAを素早く回して可及的速やかに修正すれば良い。その時間軸が長すぎるのが問題なのだ。