乃木坂46の橋本奈々未さん(以下ななみん)が卒業&引退をするという発表があった。
私はななみんのファンでもないのだが、仕事の関係でななみんと絡むことが多い。たとえば、GitHubでPullRequestを作ってruby styleguideに沿わないとななみんから暖かいメッセージがとぶ。
それはともかく、今回のななみんお引退には考えさせられるものがあった。引退の理由の一つに「実家の借金返済が終わったこと」などが挙げられるという。
ななみんの魅力の一つは、こうした影の側面があるところだ。北海道から美大入学のために上京してきても生活苦で、ロケ弁が食べられると思ってオーディションに応募したという話はファンの中では有名だ。
そういう意味で、ななみんがアイドルたる所以は他のアイドルとは違う。生きるためにアイドルになったのである。
こうした美談を美談のままで終わらせてはいけない。
ななみんはあくまで氷山の一角であると。そして、そのほとんどはななみんのように芸能界で活躍できるひとばかりではない。
ななみんの救いはきちんとした教育が受けれたことであろう。家庭に借金があるとはいえ、テレビを通してのななみんの立ち振る舞いは一定の教養があるからこそできることである。また、親の遺伝的な影響も良かったのであろう。
多くの子どもたちは容姿にも恵まれず、まともな教育も受けれないまま貧困に陥っていく。そうした女子が辿り着くのが性産業である。華やかな芸能界とは違う。また男子の場合は、危険な職場に送られることもあるという。その辺りは鈴木大介氏の著書に詳しい。
ななみんが芸能界で成功した影には貧困がありその背後には、同様の貧困で苦しんでいる人たちがたくさんいることを決して忘れてはいけない。そしてその一方で税金で悠々自適な生活を送っている人がいるということも。
そして、私を始め、恵まれた環境にある人は、この生まれながらにして持つ格差のある世の中をどうしていくのが良いのか、考えなければいいけないと思う。