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とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。

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日本社会はやっぱりおかしい

この前の土曜日に、久しぶりに大学時代の仲間とソフトバレーをしました。私は、年に3,4回ほど体育館をとって、練習をしていて、去年、おととしまではまだ学生だった我々も、今ではもう皆社会人となっていることに驚きを隠せません。

solar panelwww.flickr.com

その中に、製薬会社で研究職をしている友達がいます。私の大学の同期で、薬学部を卒業している優秀な人で、対策もせず、TOEIC850点とかとっちゃう人です。

彼は研究職なのですが、実際には実験はほとんどしないと言います。誰がやるかというと、派遣社員の人だそうです。最初に自分で実験手法を確立してからは、あとは派遣社員の研究員に任せるのだそうです。

私が属するICTの世界も、基本的には構造は同じです。要件定義や外部設計が終わったあとは、BPさん(ビジネスパートナー、傘下のグループ会社のこと)に任せます。外部設計も大体BPさんがやってくれます。その先のコーディングなんかだと、人手が足りない場合は、BPさんもさらに下請け会社から派遣してもらった人が作業することもあります。

製薬会社で派遣で来た人にどういう人が多いか聞くと、やはり、修士卒の人が多いそうです。東大卒の人もいる?と聞くと、さすがにそれはいないそう。同志社とか、早稲田とかがその当たりの大学の修士卒が多いそうです。特に研究の世界では、東大は別格なのだそうです。

しかしよくよく考えてみるに、こうした派遣で働いている方々は頑張れば正社員として雇ってもらえるかもしれないという淡い期待もあるのかもしれません。研究というのは魅力的な仕事ですから、その気持ちは分かります。ただ、その友達に聞くと、基本的には正社員になることはまずないそうです。優秀な派遣の場合は、3年で別の研究所に移って、また3年経てば別の研究所という形で3年ごとに変えるそうです。そうすると、契約が変わるので正社員登用しなくてもすむそうです。

そのような仕組みになっているのは学生時代からある程度聞いてはいましたが、社会人になっていざ直面すると、そのような日本社会の構造にぞっとします。

特に、今は景気が良くて製薬の研究職の数も2,3年前よりも多いそうです(私の友達談)。今の日本社会は、新卒で正社員になれないと一生正社員になれないとも言われていますから、自分が卒業する年がたまたま不景気で採用人数が少ないとなると本当に運が悪いとしか言いようがありません。

景気は循環するものですが、不景気になっても回復するための手はあります。3年前の民主党政権。円高で株価も9000円台、今の半分以下でした。しかし、安倍政権にかわり、日銀総裁も白川総裁から黒田総裁にかわり、大胆な金融緩和の発動して以降、景気は良くなりました。金融緩和には賛否両論ありますが、私は、過度な円高は日本経済にとって悪影響ですし、デフレはどんな場合でも悪いことであると思っているので、金融緩和は行って正解だと思っています。今の安倍政権は、日銀総裁に黒田氏を、副総裁に岩田規久男氏を据えたことで景気が良くなり、長期政権となっていると思います。マクロ経済に関しては話したいことはたくさんありますが、本筋ではないのでこのぐらいにとどめておきます。

しかし、時の政権の政策によって、景気がここまで大きく左右されてしまうのは、就活する人にとっては本当に迷惑です。一度正社員になれなかったらもう正社員になりにくい社会というのもおかしいです。

 

ここまでくると、よっぽど優秀な人でない限り正社員になれるかどうかは運といっても良いのではないでしょうか。特に研究職はその傾向が強いです。

しかし、修士を経験すると研究というのに取りつかれてしまいます。研究は楽しいです。実験は上手くいくことばかりではないですが、何回かに1回は上手くいきます。そのときの喜びはたまりません。そして、その結果をひっさげて学会に発表に行きます。学会は地方で開かれることも多いですから、学会の開催期間中の数日間は研究室の予算で地方に行くことができます。いわゆる出張ですね。私も学会で、仙台、京都、名古屋、ボストンに行きました。学会といっても数日間あるので1日ぐらい遊ぶものです。私の研究室の先生は、色々見るのも勉強のうちだから、1日ぐらい観光してきていいよとも言ってくれました。ばれないようにねという注意も付け加えましたが。ちなみに私は京都に行ったとき、最終日に天橋立を見に行きました。そうしたことはちょっと特別な経験です。海外で発表するときは、なんかよく分からないけど、英語で発表かっこいい!って思いますし、研究に関しては英語でもある程度通じるので、海外の人と英語でやり取りできるのは思っていた以上に楽しかったです。

要するに研究って楽しいんですよ。ちょっと結果が出れば、論文も書けますし。論文1本でも書けば、その分野では第一人者です。(新しいものしか論文に書けないので)ちょっと得意げな気分になりますよね。まあ私は論文はまだ出してなくて、学会のプロシーディングだけなんですが。。でも世界のトップである可能性があるのが研究職です。

そういう研究をずっと続けたいと思う気持ちが派遣という道を選ぶのかもしれません。

特定派遣であれば、正社員なので解雇されにくいかもしれませんが、結局、年をとってくると、受け入れ先が無くなり、解雇されてしまいます。

だけど現実はやはり厳しい。新卒で正社員として研究職になれないと、若いころは特定派遣として薄給ながら仕事ができても将来もそのまま仕事ができるとは限りません。

実力があったとしてもです。いまの日本っていったいなんなのでしょうか。

 

日本の研究者の世界は本当にブラックです。まず博士課程に進学するのが極めてしんどい。学振を取れればまだましかもしれませんが、学振をとれたとしても月20万、そこから年金やら住民税やら保険料やら所得税やら光熱費やら通学費を引いたら手取り16万ぐらいでしょうか。そこから家賃を引いたら、8万。余裕のある生活はできません。しかもバイトはできないという・・・。そして友達の会社員は手取りで17万しかも、家賃負担も少し。通勤費も会社負担という現実。よっぽど研究に対して熱意がないとやっていけないです。

私の研究室の同期も一人博士課程に進みましたが、とても優秀な人です。しかし、会社にいると同じ年齢で彼よりも多くの給料をもらっている、彼よりも優秀でない人(私とか)を見ると、ほんとうに日本はなんなのだろうと思います。

優秀な人がそれに見合う対価が得られない。どこの共産主義社会でしょうか。

博士課程を卒業して博士をとれたとしても、就職できるとは限りません。まずは期限付きでポスドクして実績をつみ、特任でもいいから助教になって、運が良ければ准教授とかになってという流れですが、なかなかそうはいきません。民間企業でも特定の分野へのこだわりがある博士を採用しようという企業は減りました。以前ほど研究にお金をかけている企業も少ないでしょう。よっぽどマッチングがうまくいかなければ厳しいです。

結局研究職って魅力的なんですが、極めて厳しい世界です。実力よりも政治力が優先される場合も多々あります。

 

先日、リクルータもかねて、研究室にお邪魔してきました。その時指導教官ともお話しして、「博士課程くる?いつでもウェルカムだよ」と言われました。博士とったとしてもその先が真っ暗すぎて怖くて行けませんw

真面目な話、私が博士課程に行くとして、おそらくどこの企業も雇ってくれないでしょうから、知り合いの政治家にお願いして、政策担当秘書の資格を取らせてもらって、政治の世界で生きるしかイメージがつきません。。(博士号をもっていると、国会議員の推薦で政策担当秘書の資格が取れる)

 

日本が本気で科学立国になろうと思っているなら、今のような現状を放置していては絶対にダメだと思います。科学ってこんなに楽しいのに・・・。