とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


がんと闘う〜母親の罹患から学ぶがんとの向き合い方〜

2018年夏、母ががんにかかった。舌癌だ。堀ちえみと同じ舌癌。

当時私はがんについての知識はまったくなかった。以前はがんといえば死に直結するイメージを持っていたが、医療が進歩して昔に比べて遅れるような病気ではないという印象をもっていた。だから、病院に行き、病院の先生に任せておけば治癒できるものと思っていた。

だから、最初母ががんに罹ったと聞いた時、大きな心配はしていなかった。がんセンターの先生に任せ、手術をすればそれでおわりなのだと。

しかしそれは大きな間違いだった。2019年2月、母のがんは最初した。原因はわからない。その年の年末年始に母の実家のある青森に帰省した影響もあるのかもしれない。寒い地域は免疫力が下がると聞く。

がんは明確に原因がわかるような病気ではない。様々な要因が重なって罹患する。1回目の手術をしてから、生活習慣を大きく変えることなく、半年ほど暮らしていた。そもそもこれが良くなかった。

病気というのは体からのメッセージである。今のままだと死に至りますよというメッセージ。最初はそれがわかっていなかったのである。

この時舌癌のステージIII bとしんだんされたあとの2回目の手術は2019年3月14日に行われた。手術は無事成功。その後、放射線治療抗がん剤治療といった標準治療を受けることになる。

がんにおける標準治療とは

・手術でがん細胞をとりのぞく

放射線でがん細胞をやっつける

抗癌剤でがん細胞をやっつける

の3つである(2020年4月現在)。手術・放射線抗癌剤。これはセットで覚えておくべき標準治療である。

しかし、これだけで必ずしも完治するというわけではない。むしろ完治しないことも多い。母は3月14日に手術をしておよし半年後に再度がんが転移していないかCT検査を行なったが、幸にして転移は認められなかった。主治医は驚いたという。手術段階主治医のみたてはたちの悪い癌だから治療を行なっても半年後には再発する可能性が高いと思っていたようだ。これを書いている現在でも今のところ再発転移は認められていない。

この間、母は標準治療以外の治療も行なってきた。私と姉はがん治療の書籍を読みあさり、その中で良いと思ったものは母の負担にならない限り取り入れるようにした。

まずすぐにできることは動物性の食べ物を食べすぎないということだ。動物性の食べ物を多量に摂取することががんにつながるという報告がある。詳しくは「食事のせいで死なないために」という書籍を読んでいただきたい。

また、漢方薬による治療もそのひとつだ。漢方薬は処方箋がなくても市中のドラッグストアで購入することができる。がん研有明病院に在籍していたことのある星野医師の著書「がん研有明病院で今起きている漢方によるがん治療の奇蹟」にも、「十全大補湯」「補中益気湯」「人参養栄湯」「牛車腎気丸」といった漢方薬を利用していると書かれている。また、「基礎からわかる 最新漢方薬入門」においても、「十全大補湯」や「補中益気湯」の服用でNK細胞の量が増えたことが記されている。NK細胞はがん細胞を攻撃することが知られているリンパ球の一種である。

私は入院中から、こうした漢方を母親に飲んでもらうようにした。もちろん、私は医師でも薬剤師でもないので、市販で買ってきた漢方薬の説明書に書かれている用法用量を守った上でである。がんセンター入院中は他の病院に行くことはできないので、退院後、がんセンターとは違う地元の病院でこうした漢方薬を処方してもらい、服用していた。ちなみにがんセンターの医師は驚くぐらい漢方についての知識が少ない。漢方を根拠のない医療として毛嫌いしている医師すらいる。日本は東洋医学と西洋医学の両方を取り入れることができるし、患者やその家族からしてみれば、証拠があろうとなかろうと、容態がよくなればどんな治療を使ってでも総力戦で治して欲しい。がん治療においては、がんセンターの医師だからといって盲目的に信用せずに、患者や患者の家族自らが治療法を調べ、考え、良いと思うものを取り入れていくことが必要である。ただし、危険なものもあるので、取捨選択およびその責任は自らがしなければいけないので注意が必要である。

 

2回目の手術が終わり、放射線の治療が始まるまで数週間の期間があった。近くの大学病院にセカンドオピニオンを行ったり、東京で「がん治療設計の窓口」で相談をしてみたり、自由診療でがん患者の診療を行っている病院にいって説明を聞いたりした。母が住んでいるのは愛知だが、私が東京に住んでいたので、平日に休みをとり日帰りで2箇所まわった。

しばらくして放射線治療抗癌剤治療が始まった。私はこの時期が一番不安であった。前述の東京の病院の先生は、手術するのは賛成だが、放射線抗癌剤については反対の立場をとっていた。放射線抗がん剤をすることで免疫力が低下して人間本来が持つがんに抗う力も減ってしまうからだ。私もどちらかといえばこちらの考えをもっていて放射線抗がん剤治療については避けたかったが母が治療を受けるというので拒否することはできなかった。

東京の病院において、1冊の本を紹介された。「野生の還元力で体のサビを取る」という本である。この著者である中山栄基先生は、植物マグマという物質を開発し、体の多くの不調を改善してきたという。詳細は書籍に委ねるが、私も生まれつきアトピーだったが、植物マグマを飲むことで症状が改善しており、効果を実感している。これを母親にも飲んでもらうことにした。

がんセンターに入院していると周りには同様の症状の患者がいる。そして同様の治療を受けている。すると否が応でも自分との比較をすることができる。母はこうしたがんセンターで行う治療以外にも漢方薬植物マグマなどを飲んでいたが、抗がん剤などの副作用は他の患者と比較して少なかったという。私から見ても、抗がん剤で髪の毛が抜けたりするということも多少はあったようだが、言われていたほどではなかった。

 

放射線抗癌剤の治療が一通り終わった後、母は「ANK免疫細胞療法」という治療も受けた。ANK免疫細胞療法については、「図解でわかるがん治療 ANK免疫細胞療法」という本が出版されているのでこちらを読んでいただくことをお勧めする。簡単にいうとリンパ球を取り出し、その中のNK細胞を増殖させて体内に戻すという治療法だ。これには1クール400万円ほどかかる。それなりの値段であるがこちらも行った。

 

他にも、調べると様々なものがあるが、一気にやると患者の負担も大きくなる。負担にならない程度でやっていく必要がある。治療だけで疲れてしまっては元も子もない。

 

ここに記載しきれなかったこともいくつかあるが、こうしたことを経て、2回目の手術から1年以上たった今も、母元気に生きている。仕事も家事も行っている。

何が功を奏したかわからないが、こうした努力があって今があるということは言えると思う。そして、人の命はお金で買えるということである。がん治療においてはお金の切れ目が命の切れ目と言われる。こうした事態に備えて現金を蓄えておくに越したことはない。

数年後に再発するということもあるということなので、今後どうなるかわからないが、舌癌ステージIII bの手術から1年生き延びた記録が他の誰かの役に立つかもしれないという思いからこの記事を書いた。私は医師でもないし医療従事者でもない。ここに書かれたことは参考になればと思うが、最終的な判断は各人で行い、責任は各人でもっていただくようお願いする。