衆議院議員の福田元内閣府副大臣が自民党を離党し、希望の党から出馬する意向が明らかになりました。
福田氏の地元は神奈川8区です。私はなぜ東京都が地盤でない福田氏がわざわざ離党してまで希望の党から出馬する必要があるのか、大変不思議に思っていました。
しかし、いろいろ調べて見ると自民党特有の理由が浮かび上がってきました。
これは昨年の記事です。
記事では、小選挙区で落選し、比例で復活した議員に対し、2回以上比例復活が続けば重複立候補が禁止される制度を検討しているとのこと。現在の自民党の制度はわかりませんが、もしこれが自民党内で制度化されたとすれば、福田氏はすでに3回比例復活で当選していることになるので、重複立候補ができないことになります。
神奈川8区といえば、ここ4回は江田憲司氏が当選している選挙区でなかなか江田氏の牙城を崩すのは厳しい選挙区であると言えます。重複立候補が禁止されれば、落選の確率が高くなるわけですから、それならば、離党して希望の党から立候補した方が先が見えるというものです。副大臣まで経験した方なら人手不足の希望の党としては喉から手が出るほど欲しい人材でしょう。
こうした自民党特有の背景が福田氏という多くの人にとっては「誰?」というような議員が希望の党に参画した大きな理由だと思います。
さて、話はここで終わりません。福田氏がいなくなった自民党は神奈川8区に誰を擁立させるのかというのが次の話題になります。今日のニュースではなんと、三谷英弘氏が神奈川8区に内定したという報道がありました。
知っている人は知っていると思いますが、三谷氏は元みんなの党の衆議院議員。つまり、江田氏とは同じ釜の飯を食べた仲間であるというわけです。その三谷氏ですが、当選した時の選挙区は東京5区。目黒区と世田谷区の南東部を含む都市部の選挙区です。前回の選挙に落選しても政治活動はやめておらず、地元にはポスターがたくさん貼ってあります。
そうした地元を捨てて自民党という大政党に秋風を送られてひょいひょいと乗っかるのはあまりにも節操がないと言えますが、元みんなの党の浅尾氏も自民党の会派に所属しているわけですから、元みんなの党で渡辺派の人たちはそういう人たちなのでしょう。(中西健治氏なども自民党入りしている)
かくして、神奈川8区は江田憲司氏に対して元同僚の三谷氏が挑む形になってしまいました。
正直、江田氏は民主党政権時代、あれだけ民主党を批判していたのにも関わらず民主党と合流した民進党にいるのは不思議ですし、その江田氏と共に選挙を戦ってきた三谷氏と江田氏が相まみえるのはもっと不思議です。
政治家にとって政策なんてのは二の次で、自身がいかに良い立場にいるかというのを身にしみた神奈川8区の動向でした。