ベッキーとゲス氏との不倫騒動。
宮崎けんすけ衆議院議員のタレントとの不倫疑惑。
狩野英孝氏の5股騒動。
今年に入ってから不倫・浮気に関する報道が連発された。
まず、政治系ブログの端くれとしてはじめに言わなければいけないのは、宮崎議員のことである。
「子供が生まれたら育休を取得したい」という宮崎議員に対して世間からは概ねイクメン議員として良い評価も多かったと思う。
例えば教育評論家の尾木ママ。
幾つかの報道でも宮崎議員の育休取得に関して賛否両論あるものの、基本的には議論の余地はあることとして捉えられていた。
しかし、不倫が発覚してからはどうか。そうした宮崎議員を賞賛していた人(特に女性)が軒並み批判するようになってしまった。その中には、問題をごっちゃにして考えてしまっていることが多く、とても残念である。
声を大にして言いたいのは不倫の是非と国会議員の育休の是非とはまったく別次元の話であるということ。
報道を見ていると、こうした不埒な議員が育休取得なんてとんでもない!などという意見が散見される。
宮崎議員の不倫に関するコメントの模範的な回答は
「不倫は良くないことだが、国会議員の育休については別の話なので、しっかりと議論して法制度を整えていってほしい」
になるだろうが、
「女性の味方だと思っていたのに残念です」
みたいなコメントは不倫と育休を分離せずにコメントしてしまっていてよろしくない。
まずはこの点を強調しておきたい。
さて、宮崎議員の育休取得宣言。
これは、明確に、単なるパフォーマンスである。
それについて説明しよう。まず彼は泣く子も黙る大政党、自民党所属だということ。
一般に政党が大きいほど、委員会や本会議に対する負担が小さくなる。所属議員が多いので、それぞれが分担することができる。小政党だと所属議員が少ないので幾つもの委員会を掛け持ちしなければならない。その結果、一人あたりの負担が増える。柿沢未途議員が質問数No.1になったのも、当時衆議院議員が5人しかいなかったみんなの党所属であったからだろう。
これはつまり、党と相談すれば育休の期間中は負担を軽減させてもらうことが可能ということを意味する。大政党所属なのだから、まずは、党に相談するのが筋であろう。奥さんも自民党所属なのでなおさら調整しやすいはずだ。
そしてもう一つ。国会議員は本会議や委員会など一部を除いて拘束時間が決まっていないということだ。そして委員会に関しては前日のように党と調整して軽減することもできる。本会議に関しては、1票を争う戦いでない限り、勝負はすでに決まっている。これも特殊な場合を除き出る必要はない。
その証拠に、2014年、渡辺よしみ議員は、通常国会のほとんどを欠席した。にもかかわらず、給料は全額振り込まれている。
国会議員は本会議を欠席することだって可能なのだ。
しかし職務を軽減できるのはあくまで大政党である自民党だから言えることであって、国会議員一般に言えることではない。
したがって、宮崎議員の件はまず自民党内で調整し、場合によっては法案を出して整備するというのが本来採るべき順序であり、いきなり「育休取得したい!」と言うことではない。国会議員というのは、本来法律を作るのが仕事なのだから、与野党問わず、法案を提出するのがまず一方である。しかも宮崎議員の場合、政権与党である自民党所属なのだから、なおさらである。
そのプロセスをきちんととることができなかったということ、これは宮崎議員が国会議員がなんたるかを理解していなかったということの表れであろう。
しかも、宮崎議員は2012年当選である。当選してから3年が経っている。これまでに国会議員の育休取得についてどのくらい議論をしてきたのか。子供が生まれることになってから「育休取得」宣言をしたのではないか。つまり、宮崎議員のこの政策は行き当たりバッタリなのではないか。そう勘ぐりたくなるくらい本来国会議員が持ち合わせているべき計画性がない。
育休を取得するにしてもまずは制度設計をしてから。そして制度設計が間に合わなくても自民党という大政党所属であることを利用して自民党内で調整してしばらくは我慢する。というのが良いのではなかろうか。