とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


わかりやすいの罠

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最近、日本の報道の自由度が下がってきています。

5年前、2010年の報道の自由度のランキングは11位。2015年は61位です。民主党政権が良かったとは思いませんが、こと報道の自由に関しては、民主党政権の方が高かったのですね。

ただ、一方で、民主党政権時代には、官邸に、こんな人が!って思えるような怪しい人の出入りができていたそうなので、それはそれで日本の危機管理としてどうなのかなと思います。その点では自民党政権の方が安心ですよね。。

こうして報道の自由度が下がってきている中、最近では、報道ステーションで先月までコメンテーターをしていた元経済産業省官僚の古賀茂明さんが話題になっていましたね。

それに加えて、自民党がNHKやテレビ朝日に聴取するなど、一介の政党がそこまでするのかと恐怖すら感じます。

そんなテレビの中でやはり人気があるのが林先生ですよね。「今でしょ!」はもう古いですが、あれから2年以上テレビに出続けていますから、需要があるのでしょう。私も、出社前には林先生の出演している、グッドモーニングを見てから行っています。

そしてもう一人、やはり人気があるのが、池上彰さんです。わかりやすい解説で有名ですよね。

この二人に共通するのは何でしょうか?

それはズバリ、主張をしないということです。そして、彼らは政治的な発言をせず、解説のみに注力しています。池上さんや林先生の解説を聞いてると、なんだかんだで分かりやすいし、ためになる~って思いますよね。いろんなことを教えてくれるのですが、最後は「私たちは、しっかりと考えなければいけませんね」とか「みなさんはどうおもいますか?」といった断定を避けることが多いですよね。

ですが、わたしはここで注意しなければならないことがあると思っています。それは分かりやすいと言うことは、その裏に複雑なことを隠してしまっているのではないか、あるいは、政治的に中立であるが故に、正しい方向性を間違って提示していないかということです。

ではここで、池上彰さん風に「インフレとデフレ」について説明してみようと思います。あくまで風ですからね。池上さんならこういう風に言うんじゃないかなーと思って書いてますからね。


~~池上さん風「インフレとデフレ」~~

池上さん風「デフレ、デフレとは、ものの値段が下がることですよね。
ものの値段が下がったらどうでしうかみなさん、うれしいいですよね。たとえば、4万円で買えたパソコンが、3万円で買える。4万円だったら買えないけれども3万円だったら買えるって言う人は多くなる。だから、デフレってうれしいですよね。
じゃあなんで、デフレがいけないって言われているんですか?
みなさん、この理由わかりますか?
良純さんいかがですか?」

良純さん風「そうですよね。ものが安く買えるようになったらみんなうれしいですよね。んー、なんでいけないんでしょう?」

池上「はい。そうなんですよね。ふつう、ものやサービスが安くなったら、みんな喜びますよね。では、なぜ、デフレは良くないことだ、と言われるのかというと、それは、デフレは、ものやサービスの価格が持続的に下がることを言うからなんです。持続的に安くなっていくー というと、消費者は、もっと安くなるのであれば、安くなってから買おうって思いますよね。だから、ものがなかなか売れなくなる。売れなくなると企業はどうしますか?そう、価格を下げますよね。そなるとますます、価格が安くなってしまう。これが、デフレスパイラル、っていうことなんですね。ものの値段がが持続的に安くなると言うことは、消費者がものを買わなくなるということですから、だから、デフレは良くないことだって言われるんですね」

池上「では、デフレの逆、インフレはどうなんでしょうか?インフレの意味は分かりますか?はい、じゃあ若林君」

若林「デフレが、ものの値段が安くなりつづけるということは、インフレは、ものの値段が上がり続けるということですか?」

池上「その通り。よくできました。そうなんです。インフレとは、物価が持続的に上昇することを意味します。物価が持続的に上昇すると言うことは、つまり、どんどんどんどん、ものの値段が上がっていく。
こんな世の中どうですか?嫌ですよね。
これを見てください。

http://livedoor.4.blogimg.jp/dqnplus/imgs/b/c/bcd495c2.jpg
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この人は、とってもたくさん紙幣を抱えていますね。この方はどういう方なのでしょうか?紙幣を取り扱う銀行員でしょうか?はたまた、たった今、現金輸送車からお金を盗んできた人なのでしょうか?

もちろん、違いますよね。この人は、ふつうの男性です。みなさん、このお金でなにを買えると思いますか?どのくらい買えると思いますか?

このお金で買えるのはなんと、たった食パン1斤なんです。

ジンバブエでは、短期間にインフレが進行してしまいました。前日では札束一つでパンが買えたのに、翌朝起きると、もう買えなくなってしまっている。ジンバブエでは、そういう状態になってしまったんですね。

つまり、インフレというのは、お金の価値がどんどん下がっていくということです。
そうですよね。たとえば、1万円で、リンゴを200個買えたとします。1個あたりの値段は、50円ですね。それが、インフレの進行によって、リンゴ1個あたり100円になったらどうなりますか?1万円で買えるのは、100個になりますよね。さっきょりも、買えるリンゴの数が100個減ってしまう。
リンゴ1個の価値というのは、昨日今日で変わるものではありませんから、これは、1万円の価値がインフレによって、下がった、ということなんですね。

インフレではお金の価値がどんどん下がっていきます。そうしたらどうでしょう?これまで働いて一生懸命ためたお金の価値が、インフレの進行によってなくなっていってしまう。ご高齢の方ですと、なかなか再度就職しようということも難しくなってきますから、インフレでものの値段がどんどんあがっていくということは、生活が厳しくなるということですよね。

だから、インフレというのも人々の生活をおびやかす現象なんですね。

ものの値段が下がり、消費者がものを買わなくなってしまうようなデフレ、今まで一生懸命働いてためたお金が、ただの紙切れになってしまうインフレ、どちらが経済にとって良いのか、これはよく考えなければなりませんね。」

~~~~~~~ここまで~~~~~~~

と、このように、池上さんなら、最後はどっちが良いとか、どっちが悪いとかは言及せずにまとめますよね。

言っていること自体は間違っていません。
みなさんは、この話を聞いて、インフレかデフレ、どっちが良いと思いましたか?
もちろん、インフレでもデフレでもないのが良いと言うのもありかもしれません。ですが、インフレかデフレ、どちらかを選べと言われたら、どちらを選びますか?

実は、この問には、明確な答えがあります。一般的に、池上さんの説明は、明確な答えはあえて伝えられていません。

しかし、中には、こちらの方がよりベターというものは存在するのです。もし、池上さんの説明を聞いて、なるほど納得と思ってそこで考えるのをやめてしまったらだめです。結局どっちがより良いの?ベターなの?ということを常に自問自答する。これが、自ら考える力を付けていくために必要なことだと思っています。

人は、分かりやすい説明を聞くと納得してしまって、復習しようと思わなくなるそうです。もしかしたら、その人があえて間違った内容をあなたに分かりやすく伝えたとしたらどうしますか?

私は、分かりやすいという説明ほど慎重になって聞くべきだと考えます。”分かりやすい”の裏にある事実、こちらが本質を突いているのかもしれない、そう思いながら日々過ごしています。

デフレかインフレか、その説明はまた今度。

本日も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。