とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


高学歴は必ずしもメリットではない?

4月に入り、就活がますます加速しているようです。今日は、会社の部署の関係で、フットサルをしに行ったのですが、その道中でリクルートスーツに身をまとった方々を見かけました。乗換駅として利用した有楽町だけでなく、地元の最寄駅のホームですらエントリーシートをチェックしている女性も。

私も就活に苦労した身。あの頃には戻りたくないです・・・。

そんな中、SPA!さんがこんな記事を出していました。

nikkan-spa.jp

タイトルは少しあおってますが、高学歴であるということを理由に不採用になったり、研究の世界でも女性の常勤が少ないなどが指摘されています。

実は、高学歴というのは、必ずしも就職において有利ではありません。これは女性に限ったことではありません。

なぜか。

 

理由はいくつかあります。

高学歴というだけで、プライドが高いと思われて、使いづらいと思われがちです。たとえば、その会社に高学歴の人があまりいない場合、部下に高学歴の人が入ってくると、上司はどう接したらいいのか分からなかったりします。こんな簡単な仕事をさせたら怒るかなとか、いろいろ気を遣います。だったら、すでに会社にいるような偏差値の大学の人を採用しようということになるのですね。

 

次に、例えば、あまり知られていない会社を応募する場合です。

私も就活の時、歴史のある大企業に限らず、従業員200名程度の中小企業も何社か受けました。とある東大生向けの合同説明会で知ったその会社は、最終面接まで進みましたが、その時感じたのが、「どうせうちなんて練習なんでしょ。内定出しても、大手受かればそっちに行くんでしょ」ということ。面接官は会長、社長、人事の3人でしたが、発言の節々からそうしたことが感じられました。

就活性が大企業ばかり受けることに警鐘を鳴らす記事がありましたが、そこで私が思ったのは、やはり出身大学によって、採用されやすい企業というのは概ね決まってくるのだということ。やみくもに学歴だけがあっても意味がないのです。

もちろん、だからといって東大生に中小企業は受けなくてもいいとは言いません。いろんな会社を知ることはどこかで生きてくるかもしれませんので、受けたいと思った企業はどんどん受けるべきだと思います。

 

そして、結局は同じ大学同士の争いになるということです。

どの企業にせよ、企業内のピラミッドは確実に存在します。その中で、採用においても、そのピラミッドのバランスを考えます。結局は、そのピラミッドに沿った採用しかしないので、東大卒の枠、早稲田枠、慶応枠など、各大学から採用する人数を大体決まってしまっているのです。そうすると、結局は同じ大学の人との争いになるので、やはり厳しいです。優秀な東大生ならWEBテストとかも軽々と高得点とりますから。しかも対策なしで。私は東大卒ですが下位層なので、そんな芸当はできません。

そう考えると、今の会社は妥当なところなのだと思います。業績は良いとは言えませんが、歴史のある大企業ですし、かといって、INPEXやJX、昭和シェルのような本当に一握りの東大生しか行けないような企業でもありません。私の学科なら望めば誰でも入社することができる企業ですので、“妥当”なのでしょう。。

結局、学歴があっても行きたい企業に行けるわけではなく、ライバルは同じ大学の人。能力が無い人は、その大学にとって妥当なところに落ち着くのです。それでも固執しなければどこかの会社が拾ってくれるのが高学歴理系の良い所です。

しかしまあ、恐ろしいことに、ある一定の歴史ある大企業だと、ほとんど旧帝+一橋+東工大早慶です。おそらく、私の会社(本体)の新卒の6割ぐらいがこの11大学に含まれるのではないでしょうか。MARCHや関関同立、地方国立大もいますが、大学でIT関連の研究をしていた人や基本情報処理を持っている人が採用されやすいのを除けば、それ以外で採用されるのは結構まれです。私はITの事については全く知りませんでしたが、先ほどあげた11大学であれば研究でITについて研究してなくても割と採用してくれます。本当に社会はこうして構成されているんだなあと末恐ろしく思います。

当然ですが学歴フィルターは存在しますよ。

 

話しを冒頭の記事に戻しましょう。

最初に保険会社のコールセンターでアルバイトをしているという古田律子さん(仮名・30歳)が紹介されます。この人は慶応卒だそうです。銀行への就職を目指していたそうですが無理だったとのこと。結局、女性の場合つらいのは、高学歴であれば、総合職が当たり前。当然男性と同じように働くことが求められます。でも女性だったら、結婚して出産してすぐ辞めちゃったり、産休・育休で短時間勤務になってしまい扱いにくいから採用しないということがありうることだと思います。特に文系がつく仕事というのは、体力のいる仕事が多いですから、その傾向はなおさらです。私の知人に新卒で3年間、三井住友銀行に営業として勤めていた方がいますが、毎日終電帰りは当たり前だったとのこと。私ならそんな働き方はできません。一般的にはそういう体力は男性の方がありますから、そういう職場を目指す女性にとっては高学歴であることが損をすると感じてしまうのは仕方がないかもしれません。

そういう女性に私がとにかく言いたいのは、ちゃんとした使える技術を学生のうちに身に着けておきなさいと言うことです。慶応で理系で、IT系の研究をしていたら、おそらく私が今勤めている会社は特に抵抗なく入れると思います。特に女性が少ない会社ですので、ウェルカムでしょう。産休・育休もとりやすいです。しかも、部署に寄るかもしれませんが、女性には優しいです。

他の理系の職場でも良いと思います。機械系や電気系で、CADが出来たり、回路設計ができたり、制御ができたりと実務で役立つことを学んでいれば強いでしょう。

高校で理系・文系を選ぶと思いますが、単に、数学が苦手だから、理科が苦手だからという理由で文系を選んでしまった人には、そのつけが就職活動で来てしまっているのだと思います。私は思います。

  若い時の苦労は買ってでもしろ

と。そして、早め早めに将来を見据えて、会社に入るために必要になる技術や知識は何なのかを見極めることです。おそらくそれを高校生のころから考えている生徒は少ない。文学なんて研究しても就活の際にはなんの役にも立ちませんからね。もちろん好きなら文学研究をしてもいいのですが、好きなことをしてて苦労するのであればそれは仕方がないと思います。好きなことだけしてて生きられるのはほんの一握りだと思います。

というか、いまさらですが、前述した女性の方、銀行で総合職でなく一般職を希望してたということは、バリバリ働きたくなかったのでしょうか。ならどうして慶応入った…。そんなに楽して入れる大学でもないと思いますが。

 

次にこの記事で出てくるのが、早稲田大学大学院、人文系博士課程を経て現在複数の大学で非常勤講師を務める鈴本美津子さん(仮名・36歳)です。

この方に関してはものは考えようと思います。博士課程を終えた人の就職先が無い、博士漂流時代というのは、当時からすでに報道されていました。理系ですらそうなのですから、いわんや人文系をやです。それを考慮に入れたうえで好きで研究したのであれば、それは前述のとおり。好きなことだけをして生きていけれるのはほんの一握りです。もちろん、それを目指す価値はありますが、その結果、責任を負うのは自分です。

逆に私は、研究であれば、女性の方が優位にあると思います。理系であれば女性が少ないのでそれだけでも学会では目につきますし、不安定な研究者になっても、最終的には結婚すれば良いというのが許されるのが女性です。男性には結婚で仕事を辞めるという選択肢は皆無ですから、そういう観点から見ると、女性は研究に関しては挑戦しやすい。逆に男性は、上手く常勤の仕事を見つけられなければ、生き地獄です。私も研究は楽しかったですし、修士2年の終わりごろにはもっと研究したいと思いましたが、やっぱり研究の世界で生きてくのはリスクが高すぎると思って断念しました。

 

と、ここまで書いてきましたが、やはり、私は、中学生、高校生のころから、ある程度先を見据えて進路を選択していく必要があると思います。なるべく自分が社会に出るときでも通用するような力を身に着けること。それを、客観的に示すことができるようにすることが大切だと思います。それを怠ってはあとでツケがきます。もう一度言います。

  若い時の苦労は買ってでもせよ。

 

最後に、私の好きなコント、インパルスさんの「能力が高すぎる就活性」を貼っておきます。

www.youtube.com