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とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。

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企業が採用で陥りがちなこと

オピニオン

今思えば私が就職活動をしていたのが2年前。大学院での研究もうまくいかず、自由応募ではすべて落ち、5月末に控えた修論の中間発表も控える中で、もう推薦で良いやと思って入った今の会社。事前に、今の会社に勤めている方と、つい数か月前まで勤めていた方のお二方にお話を聞くことができたので、どういう人が勤めているかもイメージできたし、入社してからのギャップもないので、社会人を始める企業としては間違っていなかったと思っています。しかも、リクルーターとかではなく、ざっくばらんに聞けたので良かったです。お一人はすでに辞められていますしね(今は結婚されてパリジェンヌ。羨ましい!)。

 

そんな、さほど多くない就職活動ですが、その就活中、一番最初にぶちあたった壁が、性格テストです。今の採用方法だと、大抵はWeb上でSPIとかCABとかまず最初にやります。その中には、適性テストみたいな形で、性格診断を行うものが必ずついてきます。企業はここで精神疾患に陥りやすい人かどうかを見つけているわけですね。私は根っからのネガティブなので、こういうのでひっかかりやすいんですよ。一応東大というネームバリューがあるので、1次面接ぐらいは通してくれる企業もあったりしますが、書類で落とされる確率は高かったと思います。当たり前ですが、あれを馬鹿正直にやっちゃいけないですよね。エイプリルフールの記事の冒頭で嘘が必要であることを書きましたが、生きていくためには平気で嘘をつけることが重要なんです。嘘ついていると自覚しながら適性テストをやるとばれますからね。無意識のうちに嘘をつけることが大事です。まあそこまでくると嘘じゃないのかもしれませんが。

 

書店に行けば、ポジティブシンキングのすすめだとか、プラス思考で考えるべきだとか、そういう類の本はたくさん出てきますよね。ネット上にも「ポジティブシンキングな人に共通する10の発想法」だとか、「誰でも簡単に「ポジティブシンキング」ができる5つの方法」だとかすぐに出てきます。会社にも、若いんだから、嘘でもいいから「がんばります!やります!できます!まかせてください!」と言う人を採用する企業って多いですよね。

 

これが企業が採用で陥りがちなことなんじゃないかと思います。

 

ポジティブな人ばかりを採用する。

 

私は、“正しくネガティブを使う”ことができればネガティブでも良いと思っています。なぜ人がネガティブでいるかと言えば、その方が精神的に安定しているからです。それは、生きてきた中で培われる精神だと思います。例えばちょっと調子に乗ると、同級生からいじめられたり、頑張ってテストで良い点を取っても親から褒められなかったり、むしろ、良い点とって当たり前。世の中に頭のいい人はそこらじゅうにいるわ!と言われたり、そうした経験を積んでいくと、“世の中良いことがある!”なんて思わなくなります。

しかしここで私は力説したい!ネガティブ、だからこそ良いんですよ!

ネガティブな私だからこそ主張したいと思います。

ネガティブは、常に最悪の事態を想定して行動するので、最悪の事態に陥らない!

私は常に危機感というのを持っています。それは小さいころからそうだったのでしょう。失われた20年まっただ中、将来どのような職に就けるかわからない。その中で自分は確固たる技術を持っていないといけないと思うのは必然でした。だからこそ選んだ理系。そしてだからこそ選んだ東京大学。そして、電気系工学専攻。院試を申し込む前にも色々とリサーチしました。今は東大電気の人材が少ないと!そして企業は東大電気を欲していると(ほんとかどうかは知りませんが)。そして推薦があるので、選ばなければどこかには行けるだろうという思い。

あらためて見ると普通に大学入って大学院に入ってと普通なことをしてますが、その裏には無職、ニート、住む家が無い!といった最悪の事態を想定してのことです。ちなみに、このブログを読んでいる方はご存知かもしれませんが、私は政治家の応援をしていますが、これも、もしなんかあったときには助けてくれるかもしれないという淡い思いを抱いてのこともあったりします。政治家の方は顔が広いですからね。コネと言ってしまえばそれまでですけど。

だからこそネガティブは最強なんです!

中にはネガティブだと新しいことに挑戦したがらないからダメだという意見もあります。

違います。

新しいことを始めなければ、自分の属しているコミュニティ(例えば会社)がダメになると思えば、先手を打って行動します。危機感があるからこそ行動に移せるんです。一方、ネガティブじゃない人は危機感がありません。うちの会社は大企業だし大丈夫だろう・・・一定の大企業に勤めている人のうち、どのくらいの人がそう思っているでしょうか。それが大企業病を蔓延させ、知らず知らずのうちにゆっくりと沈没していく船になっていくのです。どんなに大きな船でも沈む可能性はゼロではありません。どんなに最新鋭の安全な飛行機でも一人の副操縦士の意思で墜落します。

 

もちろん、ネガティブな人だけ採用してもだめです。大事なのはバランスです。今の企業に、ネガティブな人も意識的に採用しようという企業はどのくらいあるでしょうか。あまり聞いたことはありません。

 

私がまだ大学院生だったころ、先生の仲の良い究者で、理研で特別招聘研究員(だったかな?)をやっていらっしゃる方とよく研究のアドバイスを貰っていました。その研究者は特別招聘研究員といっても、東工大の学生を指導されていますし、企業でもながらく研究をされている方です(たぶん今でも企業に籍はあるはず)。年齢は50代半ばといったところだと思います。

就活が始まった2月に理研を訪れる機会があり、その研究者の方ともお話をしました。そこで就職に関するアドバイスもいただいたのですが、企業に勤めているというだけあって、企業での採用の裏側についても少し教えてくれました。技術系の面接官をやったこともあるそうです。

そこで聞かれたのが「自分の実力に対してどのくらいの実力だとアピールするか。自分の実力よりももっと実力があると言うか、自分の実力に対してそれよりも実力が無いと言うか。」ということです。私は、ネガティブなので、あまり実力はないという体で面接に臨む場合が多いです。(それが採用されない理由なんだと思いますが)

その研究者の方は面白いことを言っていまいした。面接では、技術者だけでなく、人事部の人も同席したそうなのですが、人事部は“自分の実力よりも高い実力があるとアピールした人”を採用しようとする一方、その研究者は“自分の実力ほどのアピールをしなかった人”を採用するべきだと、意見が対立したそうです。

前者は言ってみれば、自己アピールの上手い人、自信家、ポジティブで、後者は、ネガティブ、自信がない、良く言えば謙虚なんだと思いますが、人事部とその研究者の間では採用したいと思う人材が違ったそうです。

人事部からしてみれば、やはり自己PRができる人の方が能力のある人に見えるのでしょう。文系の人が多い世界だと、いかにプレゼンが上手いか、営業トークができるか、そういったものが評価の対象になるのでそうなのでしょう。

一方、現場の技術者から見れば、自信がないということは、これからもっともっと成長しないと思っているであろうし、貪欲に成長していきたいことの現れです。もしかしたら、これまでも、言うことだけは一丁前で中身の伴わない口だけの若手を見てきたからかもしれません。一方で自信家で、自分はできる人間だと思っている人は、人の言うことを聞かなかったり、実力が不十分で、もっともっと成長しないといけないのに、ちょっとの成長で満足してしまうというリスクがあります。

それを考えればやはり、自信があまりない、謙虚な方を採用したいと思うのでしょう。ただ、採用の世界は人事が強いようで・・・。

採用する側から見ても、自信がない人、ネガティブな人を採用することはメリットがあります。たとえば、自分の実力が実際の実力(実力指数5とする)以上にあるとして採用されたとします(このときの見かけ上の指数を7とする)。この時、実力指数7の仕事を振ってしまえば、実際には実力指数は5なのでその仕事は完遂できなくなります。一方で、自分の実力が実際の実力(実力指数5とする)以下だというアピールで作用されたとします(このときの見かけ上の指数を3とする)。この場合に実力指数3の仕事をふれば完遂できますし、能力があるのでクオリティも高く、時間も短縮できます。会社側は仕事が未遂といったリスクを未然に防ぐことができます。

 

実は、近年、こうしたネガティブというか、積極的に話さないいわゆる内向型の人が歴史において重要な役割を担ってきたという報告があります。次の本も私のお勧めの1冊です。

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まとめ

以上、まとめます。ネガティブを採用すべき理由としては主に二つあると述べました。

1.ネガティブは常に最悪の事態を想定して行動するので最悪の事態に陥らない!

2.会社側としても、仕事未遂のリスクを軽減できる!

だからこそ私はネガティブで居続けたいと思います。

 

(蛇足)

こんな話をポジティブが大事だという同期に話したら、「いや、それもうポジティブやん」と言われました。いやいやネガティブです(笑)

※今回の記事では、ネガティブ、自信がない、内向的、謙虚などの言葉をわりと同じ意味でとらえて書いています。厳密には違うと思いますが、方向性としては間違っていないかなと思うので、あまり精査せずに記事にします。あしからず。。

※まあ“陥りがちなこと”と書いてますが、陥ったからと言ってそれが悪いというわけではないので。。逆にポジティブな人しか採用せずに業績が伸びることもありますし・・・。適材適所ってことだと思いますが、今はどの企業でもどの部署でも画一的に「ネガティブはけしからん!」という採用をしている気がしたので、警鐘を鳴らすことも意味があるのではないかと思って書きました。