とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


できないことをできないというのがプロ

 

私は、昨年末から、金属アレルギー治療のため、歯医者にて歯科用金属の除去およびセラミックへの交換を行ってきました。

先日の日曜日にようやくすべての金属がセラミックに置き換わりました。セラミックを入れる前には当然仮の詰め物をしていた時期がありましたので、メタルフリーになってからは1か月ぐらい経っています。

歯科用金属を除去して効果が見え始める時期は個人差がありますが、皮膚科医からは半年ぐらいはかかりますと言われました。しかし、疾患箇所によっては、効果が見え始めています。金属アレルギーにはさまざまな症状がありますが、私の手にできていたのは、皮膚が捲れたり薄くなったりするような疾患(小水疱ができる)で、部分的には改善しました。(まだ予断はゆるせませんが)また、腕や足に痒疹(ようしん)と呼ばれるぶつぶつができていましたが、その症状が少し良くなりました。

 

さて、先日の日曜日でようやくすべてセラミックにかわり、経過をみて治療終了なのですが、歯科医の先生から、左の親不知も右と同じように虫歯になってしまう可能性があるから抜いた方が良いよと言われました。そして、うちでは治療しきれないから口腔外科を紹介しますと言われました。

いまかかっている歯科医の先生は、私が今までに経験したことないくらい丁寧に説明をしてくれて、施術もスムーズです。一番信頼できる歯科医なのではないでしょうか。もし個別に連絡いただけたら紹介します。

その先生が、自分では対応できないと判断されたのです。ちなみに、右の親不知を抜いたのは、文京区の女性歯科医ですが、普通の歯科医で治療しました。このことを告げると、いま診てもらっている先生はちょっと驚いていました。

 

私は、自分の能力を適切に見極め、できないと思ったのであれば、迷わずその技術をもった人に任せるというのはプロとして必要な能力だと思います。

会社にいると、なんでもかんでも自分でやろうとする人がいますが、それでは時間もかかるし、精度も落ちます。勉強のため、あえてやるという場合は良いのですが、はたから見て明らかに無理だと思うようなことをやろうとしている人もいます。先輩がそれをやろうとしていたので、「研究所にこの辺りの研究している人いると思いますよ。その方の話聞きましょうよ」といったら、「こんな簡単なこと、私達でもできると思う」と言われました。私は、人間の頭が直観的に判断したことをコンピュータで再現するのはたやすくないと思っています。だからこそ人工知能の研究分野があるわけで、先輩が悩んでいたのは、それに近いものだと思ったのです。

私は、学生時代、懇意にしていた理研の教授(化学合成のシュミレーションを研究されている)から、多変数解析をもっとも早くかつ正解に近い解を出せるのは、人間の脳だと伺ったことがあります。たしかに、感覚的にはたぶんこれが正しいだろうなと思うことが意外に証明できません。

いや、もしかしたら、その感覚も実は間違っているのかもしれません。最近はそういう研究もされているようで、この話もいずれ書きたいなと思っています。今回はその趣旨ではないので、本の紹介だけ。。

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話を戻しましょう。私の診てくださった歯科医の方は頑張れば自分でもおそらくできるだろうけれども、確実じゃないので口腔外科に任せると判断されたのです。ここの判断を間違うと、患者さんを苦しめることになってしまいます。

 

こんな話を聞いたことがあります。ある会社(製造業)では、当時、IT部門を自前で持っていて、自社開発を行っていたそうです。もちろん、メインは製造業なので、IT部門は製造を効率化するために使われるものです。しかし、これがなかなかうまくいかなかった。社員の意欲も低下してきて効率も悪くなった。そこで社長は思い切って、アウトソーシング、つまり、他社のIT企業に任せることにしたそうです。そしたら、うまくいかなかった開発がすんなり実現。他社へ発注することでお金はかかりますが、その方が断然効率が良いということが分かって以降、自社開発はやめたそうです。

 

やはり、餅は餅屋、酒は酒屋に茶は茶屋に、仏の沙汰は僧が知るということなんだと思います。