とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


圧倒的実力差を私たちはどう適応させるか〜西武中日戦から考える〜

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昨日(6月15日)、私は先々週の休日出勤の振替休日をもらっていた。振替休日をこの日にしたのは、メットライフドーム(ようは西武ドーム)で西武-中日の交流戦が行われるからだ。私は年に1回はプロ野球を見に行くようにしていて、夏を過ぎると勝負が決まってしまっていることが多いので、この時期に行くことが多い。

西武ドームは以前、広島ファンの人と広島戦を見に行き、いい球場だなと思っていたので、故郷の愛知がホームグラウンドである中日の試合も見に行きたいと思っていたのである。

 

さて、梅雨寒の中、私は副都心線から直通の西武球場前行きに乗り込んだ。所沢を過ぎたあたりから、試合がお目当の乗客も増えて行く。

 

中には中日ファンの人もいて、同僚とおぼしき人と、「今日見に行かないの?中日ファンだろ」「いやー、無敗の菊池と防御率8点台の笠原だろ。結果が見えてるじゃん」といった会話がなされていた。

 

そう。この日は西武は、7勝で負けなしの菊池雄星が西武の先発、中日は2016年のドラフト4位、2年目、今年は未だ勝ち星なしの笠原の投げ合いだったのである。

正直、期待はしていなかった。序盤で大量失点し、早々に勝負がつくだろうと思っていた。それでも東邦高校出身の藤嶋のロングリリーフが見れたらそれでもいいと思っていた。

その思いを笠原はいい意味で裏切ってくれる。なんと5回までノーヒットノーラン。四球は初回に出したものの、2回からは立ち直り、5回には3者連続三振という好投を見せた。

 

打撃陣は好投手菊池に対しなかなか打ち崩せないものの、4回には、平田の内野ゴロの間に1点、8回には8番キャッチャーの木下拓が誰もが驚くソロホームランを放ち、2点を獲得した。これが記事冒頭の8回表までのスコアボードである。

強い時の中日であれば、ここから中継ぎ陣が抑え、勝利するが、今の中日は、先発も中継ぎも安定して抑えれる投手はいない。

この日も、8回に岩瀬が登板し、先頭の金子にライト前ヒット、秋山は前の回アルモンテの代走で入った工藤の好守もありレフトフライに抑えたものの、続く源田にヒットを打たれ、お役御免。祖父江にマウンドを託した。一番、二番が左だったので、8回を岩瀬に任せるというのはこの日とれる最善の手であろう。ベンチには左投手の中継ぎは岩瀬しかいない。そのくらい中日の投手陣は層が薄い。そして、浅村に同点打を打たれた。その後、祖父江は山川、外崎と三振に討ち取っているので、ここでの祖父江のスイッチも中日ができる最善の策であった。

 

その後、試合は延長に入り、10回の裏、ピッチャーは昨年のドラフト1ルーキー鈴木博。今シーズンは序盤は活躍したが、交流戦に入ってからは失敗が続いている。しかし、祖父江、又吉と駒を使ってしまった今、頼れるのは鈴木か田島か。藤嶋や木下雄もいるが、この場面に任せられるほどの経験は積んでいない。鈴木を出すのも消去法的ではあるが最善の手であろう。

そして鈴木は打たれた。交流戦の鈴木の成績を見るに、想像はできた。序盤勝っていても終盤打たれるのはここ数年の中日の弱さである。

落合監督時代は、とにかく接戦に強かった。負けるときは大敗したが、勝つときは僅差だった。常に失点は得点よりも多かった。これが落合監督の戦い方だった。負けるときは何点取られてもいい。そういう考え方だった。

 

そろそろ鈴木をセットアッパーに使うのをやめて育成から這い上がってきた木下雄にしたほうがいいという声も聞かれる。試してみるのは面白いと思う。とはいえ、昨日の段階で、森監督の采配は間違っていなかったと思う。

それでも負けた。

それはつまり今の中日の実力ということである。

 

投手が抑えるには、技術力に加えて精神力が重要だと思う。今の投手陣を見るに、技術的には落合監督時代の強い中日の頃と大差はないと思う。ただし、練習量が足りない。大野雄も小笠原も体の締まりがない。もっと鍛え上げる必要がある。だからボールが高く浮く。中継ぎ陣は、負け癖がついている。ただし、ここには首脳陣もよくない。落合監督はピンチの時に監督自らピッチャーに声をかけに行き、それで抑えたという場面を何度も見てきた。実績のない朝倉コーチではどんな声をかけても形式的なものに終わってしまう。ピンチの場面で落合監督がピッチャーに柔和な表情で声をかけているのを見ると、見ている我々でもどこか安心するのである。そういうのが今の中日にはない。

 

ひと段落使って、現状の中日の改善点を述べたが、とはいえ、昨日の試合でできることは基本的にやれていた。でも負けた。それが西武と中日の実力差である。

 

これは何しも勝負の世界だけではない。圧倒的な実力差は日常にも存在している。

エンジニアの世界も同じだ。同じエンジニアでも20倍の生産性が違うという。

同じ大学生でも、私のように地方公立高校から1浪して入学した人と、灘や開成高校から現役合格した人では持っているものが違う。同期で何人もすごい人は見てきた。大学だけではない。私は普通の公立中学を卒業したが、現役で東大理一に入学した人もいれば、京大医学部に入学した人もいた。

圧倒的な実力差を私はいつも目の当たりにしてきた。何度も心は折れそうになった。

 

私が見出した道は、今のところ二つである。

一つは、人手不足の業界に身を置くということである。今、民主党政権時代とは比べ物にならないほど景気が良く、特にエンジニアはどこの会社も不足している。そういうフィールドで、平均よりも多少仕事ができれば、人並みの給与をもらうことができる。どこで人手不足になっていそうかは常にウォッチして置く必要があるが、それを把握してそのスキルを身につけていけば、それなりにやっていけそうである。ただ、そのスキルを身につけれなかったときは痛い。

そこでもう一つ、あまり人が行きたがらないフィールドで人脈を作っておくということである。例えば政治の世界は、おおよそ多くの人はかかわりたいと思わない。関わりたいと思う人はよっぽど崇高な思いがある人か、仕事が見つからなくてそこに行き着いてしまった人である。これは偏見ではあるので必ずしも当てはまらないが、全く当てはまっていないというわけでもないと思う。そういう分野で人並みに仕事ができれば、最低行きていくことができるぐらいの仕事は得られるであろう。

私の目標は生きることなので、どうしたら生きていけるかということを考えた次第である。

 

さて、明日は、松坂の12年ぶりの公式戦でのメットライフドーム西武ドーム)登板である。どうなることか。

(補足)翌日の松坂の当番は背中の捻挫により回避し、代わりに登板した藤嶋が初先発初勝利をおさめました。 

 

本日もここまでお読みくださり、ありがとうございました。

下間花梨さんを見て

前回の記事から気づいたら1ヶ月半ほどたってしまっていた。

 

あいも変わらずベンチャーで働くエンジニアというのは毎日が崖っぷちである。

 

さて、この話を書こうか書かまいか迷っていたのだがやはり書きたい。

 

以前の記事でも言及したのだが、私が定期視聴している番組の一つにテレビ朝日系列で土曜日24:10から放送しているラストアイドルという番組がある。

 

この番組は、アイドルグループ、「ラストアイドル」としてデビューできるメンバーを決める、言わばオーディション番組である。

毎週挑戦者が暫定メンバーの1人を指名して歌やダンスのパフォーマンスで勝負をする。審査員1人が独断で勝敗を決める。

 

さて、今回紹介したいのは5月20日の放送回である。

 

挑戦者は下間花梨さん(17歳)である。

放送当時私は大学時代の友人と箱根に来ており、飲み会を早めに抜け出して2時間ほど作業をしていた。番組開始当初もテレビをつけてはいたものの、目線はパソコンに残したままであった。

愛知出身ということが紹介され、私の地元でもあるので、ちょっと見てみようかなと思い、作業を中断した。小学生の頃からのアイドルオタクだという紹介。自宅には同じCDが複数枚あり、欅坂46乃木坂46の握手会にも出かけるほどの熱の入れようだった。

そんなアイドルを雲の上の存在として、ある意味一人の消費者だった下間さんであったが、ラストアイドルのデビュー曲である「バンドワゴン」の二番の歌詞

今 鏡に写ったその姿は
本当になりたい自分だったか?

に心動かされたという。当時高校2年生だった彼女は、高校3年生になり、何もなければ大学に進学するための受験勉強を行うことになるが、「本当にそれがなりたい自分だったか」と自問自答したわけである。

そしてラストアイドル2期生の募集を機に、勇気を出して今まで一線を引いていたアイドルの道へと進むことを決意する。

 

そして本番。対戦相手は立ち位置11番の小田中穂さんを指名した。歌の経験もダンスの経験もある暫定メンバーである。

「歌もダンスも経験のある人に勝って自信をつけたい」

ラストアイドルはセンターだけが輝くグループではない」

と行った理由で指名したという。

 

まずはパフォーマンスの前に恒例のマイクパフォーマンス。

下間さんはだいぶ緊張しているようであった。言葉を3、4度言い直した。スタジオは一気に大丈夫かという不安に包まれる。

曲は欅坂46の「制服と太陽」。「二人セゾン」のカップリング曲である。

しかし、曲がかかり、歌の第1声を発した瞬間、雰囲気は一変する。まず、未経験と思えないほど歌が上手い。本家に似せようとしているのではなく、自分の声で、思いで歌っているのが伝わってくる。本家より少し太めの声。そこから彼女の意志、決意が感じ取れた。

 

制服と太陽。

この曲は高校3年生の彼女にとって一番響いた曲だったのではないだろうか。

1番のメロの部分、

大学へ行くか?やりたいことはあるか? 

大学受験というのは、人生の岐路の一つである。私のように能天気に周りに合わせて大学を受験する人もいれば下間さんのように、さまざま思い巡らせる高校三年生も多いであろう。

 

そしてもっと圧巻だったのはそのパフォーマンスである。

サビに入る手前。ここまででも十分観客を惹きつけているのだが、「迷うことなくどこを目指してるんだろう 希望」でカメラがアップになり、サビに入った瞬間、まっすぐ立てた人差し指を突き出し、カメラもそこだけを映し出す。

(写真は、録画したものをスマホのカメラでとっているので画質が粗いです)

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その後もステージを左へ右へ幅広く使いながら、それでも息を切らすことなく音も大きく外さずに、歌い続けて行く。

そして1回目の「Let's get started!」で上手のカメラにカメラ目線で指差し。

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2回目の「Let's get started!」で下手のカメラに指差し。

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そしてFinish.

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圧巻だった。涙が溢れてきた。

 

下間さんは歌もダンスも未経験だというが、素人がここまでのカメラワークを意識してパフォーマンスができるであろうか。

リハーサルの段階でどこまで打ち合わせしたのだろうか。もししたとすればかなりプロ意識が高いし、してなかったとすれば、カメラマンがリハーサルでのパフォーマンスをみてカメラワークを考えたということだ。それだけスタッフにも引き寄せられるものがあると感じたということである。いずれにせよ並大抵のことではない。

 

始まる前あんなに緊張していたとは思えないほどのパフォーマンス。

「この曲はくよくよしながら歌ってはいけない」

曲に込められた思いを汲み取っているからこそ中途半端なことはできない。アイドルオタクだからこそ手を抜いてはいけないという思いがひしひしと伝わってきた。

 

私はこのとき、元ももいろクローバーZ有安杏果のことを思い出した。

ある番組で和田アキ子と共演した時に、本番直前まで半べそで緊張していたというが、本番スタートしたらノリノリで歌っていだしたそうだ。和田アキ子はその度胸に驚いたという。

www.daily.co.jp

 

下間さんもその片鱗をうかがえたのである。

未経験だからこそ磨けばもっともっと光るであろうし、アイドルオタクとして妥協することなく活動をしてくれそうである。

今後、下間さんがどのように活躍の場を広げて行くかは現時点では未知数だが、「本当になりたい自分」になって世界に羽ばたいて行くのが楽しみである。

技術の流行り廃り

昨日の記事の続きになります。

smartenergy.hateblo.jp

 


技術の流行り廃りについてですが、私もこれには頭を悩ませている反面、自分の場合ずっと同じことをやっていると飽きる性格なので、変化がないとつまらないと思う一面もあります。
頭を悩ませている面に関して、自分なりに解決している方法とは、一つは、技術の流行り廃りの少ない分野で地盤を作るという点です。例えば、リレーショナルデータベースにかんしては、ここ数十年、基本的な要素は変わっていません。正規化なんて何十年前からもあり、今でも十分に使える知識です。ただ、最近Railsやってますという人の中にはデータベース設計ができない人も多い。リレーショナルデータベースはどんなシステムでも大抵使われるのできちんと基本を押さえておけば、かなり長い間つかえるスキルとなると思います。
もう一つは、技術に関係のないところで強みを作るという点です。その最たるものが業務知識。あるいはビジネス理解です。エンジニアはビジネスをシステムに落とす仕事ですから、ビジネス理解を避けて通れません。いかに素早くビジネスを理解するかが大切で、それはエンジニアに要件が降りてくる前からの情報収拾が必要です。営業の人の会話やチャットを見てどういう動きをしているのかを把握しておく必要があります。そうすれば、事前にシステム側で対応に時間がかかることであれば問題を早期に摘み取ることができますし、考慮不足である点を指摘できればビジネススキームが洗練されていきます。そのフェーズから携わっていくことで実装速度も上がります。実装とはビジネスを写すものですから、モデル一つをとってしてもビジネスが反映されているわけです。
同様に、対応速度というのも気をつけています。サービスをやっていると不具合はつきもの。それに対して、カスタマーサポートやクライアントから上がってきた報告に対して速やかに対応するように気をつけています。作業中イアホンをする人もいますが、私は周囲の状況を聞くために、よほど集中する作業でない限り、イアホンをせず自席で作業をすることが多いです。逆に言えば、大抵の作業は周りの状況を把握しながらでもやれるように、その技術や実装に対して慣れておく必要があります。

もちろん、新しい技術に関しては、キャッチアップしておく必要があります。
私がSIerからWeb系の会社に転職したとき、Railsのキャッチアップすら大変だった中、同僚はReact.jsがどうだの、webpackがどうだの、そういう会話をしていました。同じタイミングで入社した人は、プログラミング経験がある人だったのですが、私はほぼ未経験だったので、しばらくはずっとinputすることが多すぎて頭が痛かったのを覚えています。
ただ、自分が一度に吸収できる能力にも限界があるので、React.jsとかがあるのだなという知識入れつつも、一旦はそこは今はキャッチアップしないという決意をしていました。step by stepで行かないと自分の能力ではダメだと。

その技術をキャッチアップするメンタリティが揃っていないと学習しても身につきません。

ちなみにReact.jsに実際にふれることにしたのはその1年後ぐらいでした。(厳密にいうと、その年のお正月に触ってみたのですが、全くよくわかず挫折した。)昨年にReact.jsで簡単なゲームを作って見たのです。ある程度Railsができるようになったなという確信がもてたタイミングでした。

そして、大事なのは、自分はできるよアピールです。例えば、そのゲームを作って社内で発表したり、wantedlyポートフォリオに貼り付けたりしているのですが、そうしてアピールすることで、この人はReact.jsができると認識されますし、次の案件があったときに声をかけてもらいやすくなりますし、転職時にも一つ見せるものがあれば大きなアピールになると思います。
このブログではできる限りプライベートにしたいと思っているので、React.jsで作ったゲームのURLを貼ることはしませんので、知りたい方は個別に連絡いただければと思います。(とはいえ頑張ればわかる。。)

ちなみに、開発期間としては、React.jsのチュートリアルなどをやったということも含めて1ヶ月ぐらいです(土日や平日夜の稼働)。学習からアウトプットまで1ヶ月ぐらいでそれなりに人に見せれるものができると思うので、学習に関してはその程度で良いと思います。

ちなみに、僕の場合は独身で子供がいないので、休日にそこまでの時間をさけるのですが、家族がある場合はやはり厳しいのではないかと思ってしまいます。逆に言えば、家族ができるまでにできる限り自分のスキルを向上させていくという必要がありそうです。


最後に、私はプログラミングが好きかと言われると、向いているとは思うが好きとは言えないと答えると思います。プログラミングをしていて良いのは、ダメなら割と早い段階で気づくことができることです。また、基本的な知識を入れておけば、あとは応用なので、新しい技術も取り入れやすくなります。例えば、Railsを一通りできればDjangoの習得も早いでしょう。React.jsができれば、Vue.jsの習得も比較的スムーズにできると思います。あと個別のフレームワークが必要な時は、そのときになってリファレンスを読むしかありませんし、それはみんな同じことです。

次々にでてくる概念はありますが、それをすぐに仕事で使うことはほとんどないですし、とりあえずは概念だけ理解しておくというのが良いと思います。「この技術を使うことがこういうことができる」というのを自分の引き出しの中に入れておくだけで、あとは必要に迫られてから学べば良いかと思います。

いずれにせよ、今の世の中を生きて行くためには一度身につけたスキルだけで年金がもらえる年まで働けるということはないですから、定期的に技術のアップデートはしていかなければならないと思います。

とはいえ、自分のスピードで無理をしないことが大切だと思います。この変化の早い世の中で、自分だけ置いてけぼりにされるのではないかと不安になることも多いですが、よくよく周りをみたら、そこまで頑張ってキャッチアップしていなくても生きている人がほとんどです。上を見るとキリがないですし、憂鬱な気分になることもありますが、そういう時はちょっと周りをみて深呼吸するようにしています。

 

文章が長くなってしまいましたが、書いていて、SIerへの転職に関して、十分に考えれていない気がしました。確かに僕もいまだにSIerへ戻ることは選択肢として消去していませんし、また機会があったら書ければと思います。