とある元SEの思考を探る

ひょんなことからとあるICT企業ではたらくことになったなんちゃって元SEがしたためるブログ。主に、政治・経済・社会問題・日常の出来事について発信していきます。お読みいただけたら、感動にむせび泣くほど嬉しいです。よろしくお願いします。


都議の中で最もテレビに出演していても選挙で落選してしまう理由

いよいよ都議選が来年に迫ってきました。2013年に都議選をボランティアとして戦ったあの苦しい日々からもう4年が経つわけです。

今思っても人生で一番つらかったのは2013年の都議選だったと思っています。

 

2013年当時みんなの党党員だった私は、まだ化粧品会社社員だった頃から知り合いだったおときたさんを応援していました。初期のポスティング、ポスターはりといった基本的なことから、選挙の月にはほぼフルタイムで帰宅に行き、時には終電を逃して帰るといったことも何度かありました。

 

あれから3年が経ちましたが、今年の都政は舛添問題に始まり、小池都知事の誕生など話題に事欠かない1年でした。その理由の一つとしては、おときたさんが毎日のように都政についてブログを書き世に発信していることが挙げられると思います。

彼は当選前から4年間でバリューを発揮できなければ政治はやめると言っていました。今まで無風だった都政をこれだけ衆人の目にさらけ出し、都民の監視下においたというのは大きな成果だと思います。

 

最近では情報番組にとどまらず、クイズ番組やバラエティー番組などにも出演して都政について発信してきたおときたさん。今やテレビに最も出演している都議といっても過言ではないでしょう。

 

しかし、そんなおときたさんでも選挙になると勝てるとは限りません。選挙は北区という限られたエリアのなかですから、いくら全国的に知名度があったとしても落選するときは落選するのです。

 

その背景を簡単に説明したいと思います。

選挙をすると良くやるのが票読みです。過去の選挙結果や世論調査などから候補者がどのくらい得票できるのかを予想するのです。

 

まず、2013年の北区の結果を見てみましょう。当時は定数4で、みんなの党から立候補した音喜多さんは4番目になんとか滑り込み。5位の原田候補との票差が3000票もないわけですから、本当に薄氷を踏むような戦いでした。おときたさんを除き現職・元職で占められた中、新人のおときたさんが当選したのは奇跡といっても過言ではありません。

 

 氏名年齢党派新旧略歴得票数
当選 高木 啓 48 自民 (元)区議 33,918
当選 大松 成 52 公明 (元)公明新聞記者 28,686
当選 曽根 肇 61 共産 (元)区議 25,108
当選 音喜多 駿 29 みん (元)化粧品会社員 13,296
  原田 大 36 民主 (元)松下政経塾 10,377
  栗下 善行 30 維新 (元)IT会社員 10,055
  和田 宗春 69 民主 (元)党都幹事長 9,690

注目しなければならないのは来年(2017年)は北区の定数が3に減るということ。この段階でかなり厳しい戦いになってきます。

それでは、来年立候補するであろう候補者の顔ぶれを予想してみますと、少なくとも高木(自)、大松(公)、曽根(共)、おときた、民進党候補者の5人が立候補することが予想されます。

前回の都議選では民主党候補者を2人たてて共倒れしたので、来年は一本化してくることは間違いないでしょう。また、東京では人気のない維新が候補者を擁立しないと仮定すると、2013年の選挙結果から単純に計算した票はこのような感じになります。

氏名年齢党派新旧得票数
高木 啓 52 自民 34,000
大松 成 56 公明 29,000
曽根 肇 65 共産 26,000
音喜多 駿 33 無・か 23,000
民進党候補   民進   20,000

自民・公明・共産に投票する層は雨が降っても雪が降ってもあられになっても投票する人たちですから、得票数に大きなズレがでることはないでしょう。それぞれ安定して取ってくると思います。

おときたさんの票は、前回、みんなの党と維新の会がそれぞれ候補者を立てて第3局が割れたので、来年は第3局票がおときたさんに集まると仮定して、栗下候補の得票数をおときたさんに割り振る形で計算をしました。23,000票です。

民進党候補者の票は前回の民主党候補者を1本化したとして足し算。20,000票になります。

定数が4であればぎりぎりおときたさんがすべりこめますが、来年の北区の定数は3です。残念ながらこのままでは落選です。名実ともに北区で最も有名な無職になるわけです。

また、共産党はこの4年間で勢いをつけてきていますから、さらに票を伸ばしてくるでしょう。2014年の衆院選の結果を鑑みるに2,000票ほどは上乗せしてきそうです。もしかしたら30,000票に届くかもしれません。

公明党の票は大きく動くことはないでしょうから、当落は30,000票前後ということになりそうです。

おときたさんが当選するには最低でも30,000票は必要になります(欲を言えば35,000票は欲しい)。前回は13,296票でしたから、倍増だけでは足りません。仮に栗下票がすべておときた票になったとしても7,000票も足りないわけです。

はっきり言って、これはかなり厳しい数字です。

とはいえ、おときたさんも地道に街頭活動をし、ブログ、テレビでも都政の情報発信をしてきていますから、2013年のときよりは確実に知名度はアップしているでしょう。私の両親も3年前はおときたさんの名前すら知らなかったのですが、今は認知しています。

前回は新人で無名の中、半年足らずの活動で13,296票を獲得できたのですから、4年間しっかりと活動してきたおときたさんが、プラス17,000票を取るのは決してありえない値ではありません。

 

私は社会人となり、前回の時のようにフルで支援することはできませんが、引き続きおときたさんを応援していきたいと思います。

 

なお、おときたさんは、ネット応援団を募集しています。

otokitashun.com

選挙では、選挙に入る前の段階から、ポスティング、街頭でのビラ配りなどに人手が必要です。今はネットの影響力も高まってきていますから、一人一人の活動が大きな影響力を持つようになってきています。もしおときたさんの力になりたいという方はぜひネット応援団に応募してみてください。

「この世界の片隅に」

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この世界の片隅に」を観て来ました。ユーロスペースでの映画は7年弱ぶりです。

昔は1階に食べ放題の店があって何回か行ったなあと感慨に耽りながらドアを開けると15:50からの会はすでに満席。立ち見になってしまうということなので、18:30からの回を観ました。

 

会場は満員。熱気を感じました。(実際少し暑い)ユーロスペースはチケット購入順に入場なので、良い席で見たい方は早めの購入をお勧めします。

客層もカップルで来ている人もいれば、男女ともに1人の人も多くいた印象です。

 

さて、実際の映画ですが、戦争映画、昭和の庶民を描いた映画としては、背伸びをせず、原寸大で描かれているように感じました。実際当時を生きた訳ではないのですが、そう感じました。

冒頭のキャラメルを購入するシーンや家族ですいかを食べるシーンなどの平和が描かれているのを見て、このあと悲惨な空襲が来るのかと思うと、ぐっと来るものがあります。平和とは、あと一手で崩れるジェンガのように絶妙なバランスの上で成立しているのだということを実感しました。

今の日本の平和も同様なのかもしれません。

 

映画としては総じて満足のいくものでした。

のんの主人公すず役も適任だったと思います。女優として、あまちゃんでのどんくさい役からは脱しきれていない役ですが、見る人には、のんはあまちゃんのイメージが強いでしょうから、そこでののんの人となりとすずを重ね合わせる人も多いでしょう。そのイメージでもって十分に違和感なく観れました。

 

ただ、2点だけちょっと気になったことがありました。ネットで絶賛されている映画を否定的な意見を述べることは勇気がいりますが、少しだけ述べさせてください。

 

一つ目です。これは映画の問題というよりも原作の問題だと思うのですが、おそらく作者の頭の中ではつながっていても、読者がついていけていない箇所がいくつかあると思います。内容の詳細は映画を見ていただくとして、後から思えば、こういう笑いだったんだと思うところがありました。

私も経験があるのですが、自分の頭の中ではつながっていて笑えるところもそれを言葉に表すとそれがうまく表現できない。自分の中では体験したことだから分かるのだけど人に説明するとなると説明しすぎになってしまって、逆に面白さがなくなってしまいます。

 

二つ目。これは、映画や原作というか、すずに対する怒りのようなものなのですが、もっと生きることに貪欲になって欲しい。どんだけどんくさくても、生にだけはしがみついて欲しい。そう思いました。

空襲が起きた時もすぐに防空壕に入って欲しいし、ましてやとんびを追うなど本当にやめて欲しい。

ただ、当時の人たちの感覚は違ったのでしょうか。

例えば、下関に疎開をしようかというとき、徑子がはるみとすずを父親のお見舞いに行かせるシーンがあるのですが、連日空襲されているなかで、軍の病院に行くなど被害にあいに行っているようなもの。いかに当日が晴天で襲って来る可能性は相対的に低いとはいえあり得ないと思いました。そもそも、下関に行く汽車のチケットすら購入できるか不確かな場面で、長い間チケット購入待ちの列に並ぶのはありえません。街にいるということはそれだけ空襲に遭う可能性が高いということです。それならば家にいた方がよっぽど安全というものです。幸い、防空壕は家の隣にありいつでも避難ができる状態なのですから、とにかく街にいる時間は極力減らすというのは身を守るために必要な考え方でしょう。

夜な夜な空襲で起こされるシーンもありました。そういう状況で寝るよりも防空壕で寝たほうがより安全なのではないでしょうか。私ならいつ空襲が来るかわからない状態で、危険な家の中では寝ることすらできないと思います。

戦争で勝ちたいと思うならまずは生きることだと思います。なぜなら人間は戦力だからです。戦争末期には特攻が行われました。片道しか燃費を積まずに離陸し、戦死を前提とした攻撃です。人が死ねばそれだけ戦力が落ちます。だから生きなければならないのです。日本はそれを見誤った。だから負けたのです。

 

とにかく生きることに貪欲でない人たちをみて、私は憤りを隠せませんでした。

 

この2つが気になったところでした。細かなバックグラウンドや伏線など他のブログや監督のインタビューなどでも紹介されているので映画を観た後でさまざま考えを巡らし、もう一度映画館に足を運ぶと消化できる映画なのではないかなと思いました。

野球日本代表戦の強化試合が終わりました

昨日、野球日本代表の強化試合が終わりました。

野球好きの私も、ところどころで観戦していました。ここでは、試合の中身については話しません。ボールが滑って投手陣が不甲斐なかったとか、エラーが多かったとか課題の残る試合でしたが、私が今回書きたいのはそういうことではありません。

 

彼らがなぜ野球をしているのかということです。

幼い頃に野球に出会い、楽しくて練習をして上手くなって、良い結果が出て、それでまた楽しくて野球をしていったのだと思います。

しかし、それを20年以上続けられるでしょうか?選手によっては30年以上プロ野球選手として活躍した人もいます。子供の頃から考えたら40年以上でしょう。

プロになれば、生活費を稼ぐためにもどんなに辛くても野球をしつづけなければいけません。時にはモチベーションが低下するときもあるでしょう。それでもやり続けなければいけません。スタメンで出場したらバッターボックスに立たなければいけませんし、守備にもつかなければいけません。そして、プロは実力の世界ですから、どんなコンディションであろうと結果を出すことが求められます。まったく楽しくないことが容易に想像されます。

 

しかも今回は、シーズンが終わった後。シーズン中は優勝を目指すというモチベーションがあります。ずーっと気を張って取り組んできた半年間を終え、人息つく間もなく日本代表に召集される。モチベーションを保てる人はどのくらいいるのでしょうか?

 

来年のWBCに向けてということを考えれば、一冬を越すことで、心を休めることができます。しかし、この時期はもうそろそろ精神的に休みたいと思うのではないでしょうか。彼らはそのように思わないのでしょうか。

 

これは野球選手に限らず、子供の頃からそのスポーツ一筋でやってきたサッカー選手、バレーボール選手などあらゆる競技に当てはまると思います。

決して楽なことばかりじゃないと思います。ミスをすれば日本中からバッシングを浴びます。それでもやり続けることができる理由はなんなのでしょうか。

それがプロとアマチュアの違いと言われればそれまでかもしれませんが、それはサラリーマンでも当てはまると思います。なんら身にならないルーティンワークをしなければならないこともあるでしょう。決してやりたい仕事というわけでもないのに立場上やらなければいけない場合もあるでしょう。当初はやりたいと思ったことでも時間が経つにつれてつまらなくなる場合も当然あります。それでもその場所にいる限りは、やり続ける必要があります。

 

強化試合を見て、私はこのように思ったのでした。